貴方のことならなんでもわかるよ


いつだって一緒にいたから


 

なにを考えてるのかも


 

どう思ってるのかも


 

だけど、その気持ちだけは

 

貴方があの子を見つめる瞳だけは


 

気付きたくなかったの


 

 

 

 







愛のカタチ




















ねぇ、亮。どこ見てるの?貴方の最愛の彼女が隣にいるっていうのに。



そんなことを考えながらずっと亮の顔を見てたら「何みてんだよ」って笑われた。



それだけでもまだ大丈夫かなって安心したのが間違いだったんだよね。

 

































































まさか私が気付いてないと思ってたの?



まったく、何年一緒にいると思ってんだか。それでなくても私は鋭いほうなんだから。



だから、亮のことは何でも知ってるよ。

 






















































サッカーやってるときの逞しい顔も、藤代くんたちと話してるときの楽しそうな顔も。



授業をつまんなそうに聞いてる顔も、覚えた円周率を披露する誇らしげな顔も。



―――あの子を見つめる、愛しそうな瞳も。

 



























































いつからだったか。亮が私の目を見なくなったのは。



話しててもいつも上の空。そんなとき何を考えてたかなんて、とっくに分かってた。



それでも気付かないフリをして、亮がまた私を愛してくれる日を信じてた。

 










































































でも、もう限界だったのかもしれないね。

 































































「別れよう」



そう言った亮の声がやけに遠くで聞こえた気がした。



意味が理解できなかった。いや、理解しようとしなかった。

 

































































なんで?なんで私じゃダメなの?



いつも一緒にいたじゃない。隣で笑ってくれてたでしょう?



それなのに・・・あの子の方がいいの?

 

















































































ホントははじめからわかってた。



私と付き合ってたのは、寂しさをまぎらわすためなんだって。



必死に気付かないフリしてたんだよ?知ってた?

 









































































亮はすごく優しい人だから。私が亮の気持ちに気付いてるって知ったら、きっとすぐに別れるでしょ?



そうだよね。好きな人が他の人のこと好きなんて現実、辛すぎるもん。



だから亮はきっと、私を傷つけないために私を傷つける。



ボロボロに傷つけて、二度と私が亮に好きなんて感情を抱かないように。

 










































































だから私は気付かないフリをした。

 



































































別に傷つくのが怖いわけじゃないの。ただ、亮には傷ついて欲しくないから。



亮はすごく優しい人だから。私を傷つけると貴方も傷つく。



これは自惚れかしら?

 






























































どんな形でもいい。



たとえ貴方の中で私が一番じゃなくてもいい。



ただ傍にいたかった。



一緒にいたかっただけなの。

 







































































「ごめんな」



そう言った亮の声がやけに近くで聞こえた気がした。



なんでだろう。あぁ、そうか。

 





































































亮の腕のなかにいるからだ。

 






























































付き合ってた頃、幾度となく抱きしめられた。



だけどそれは私を抱きしめてたんじゃなくて、どこか遠くにいるあの子を抱きしめてた。



だから、私。抱きしめられるのが嫌だった。

 































































でもね、亮。私今、とっても嬉しいんだよ。



初めて貴方が「私」を抱きしめてくれたから。



貴方のぬくもりがとっても優しいことを知れたから。

 













































































別れるのに嬉しいって変だね。

 







































































私はうなずいた。そして、精一杯笑った。



だって、最後に泣き顔なんて見せたくないもん。



最後まで夢、見させてよ・・・。

 


















































































さよなら、私の愛しい人。

 








































































ありがとう、私の大好きな人。











うわぁ・・・なんだろうコレ(汗)ドリームじゃねぇし。

なんか無性に書きたくなりました。亮のシリアス。

微妙に意味わかんないですね。