この世にいらないものなんて
何一つないというけれど
コレはどう見ても
いらないものでしょ?
違う?神様・・・・
赤の地獄
この晴れわたる空を飛べることができたら、どんなに幸せなんだろう。
人間に羽が生えていないのは、きっと神様から与えられた試練。
人が羽を手にする時。それはいったい、どんな時なんだろう。
―――なんてしっとりと詩人みたいなこと言ってるけど、私はそんなロマンチストじゃない。
というか、今そんなこと言っている場合じゃ決してなかった。
コレは単なる現実逃避というか、まさしくそんな感じであって、現実を受け入れたくないわけで・・・って何言ってんだろ。よくわかんなくなってきた。
とにかく、この話に空はまったくといっていいほど関係ない。だって私の目の前にあるのは――
「あ、赤点・・・・!!」
この間やったテストの結果が返ってきた。返ってきたというより返ってきてしまった。
あーもーそのまま先生が管理してていいよ、テストなんて!返されてショック受けるのは生徒なんだからね!?
そりゃ、どっかの誰かさんみたいに成績のいい人は優越感味わえるかもしれないけど、私みたいに赤点の人だっているんだからさ!
そこらへんもちゃんと考えようよ!今ってゆとり教育なんでしょ?だったら、生徒の精神的な面もちゃんと配慮してよ。
「それはがちゃんと勉強してないから悪いんだろ?」
「げっ!つ、翼・・・なんでいつも私の思考を読むわけ?」
「読んでないよ、ただ声に出てただけ」
「出てたんだ・・・;」
「うん、思いっきり」
は、恥ずかしい・・・//テストなんてどうでもよく・・・ならないけどそれくらい恥ずかしい。
しかも聞かれたのが私の彼氏、翼。私と違って頭のいい完璧ボーイ。
せっかく赤点だってこと隠そうとしてたのに、早くもバレちゃったよ。ホントどうにかしてくれ、この口。
翼は私の隣の席に座ると、すぐさま私の答案を奪い取って隅々まで見渡した。
最初はまぁ普通だったんだけど、だんだん顔が険しくなってきて、最終的に放った言葉が。
「なにこれ」
まぁ当然のセリフですね、はい。そりゃそう言いたくなるよ。
9教科中7教科が赤点なんだから・・・。
あーわかってます、わかってますって。だからさっき現実逃避してたんだよ。
だってこんなに過酷な現実見たくないでしょ!?そりゃ勉強してない私が悪かったよ。
テスト前だってのに、毎晩ドリーム読んでましたけど、何か?
テスト期間中だって友達とポッ○ンして遊んでましたけど、何かぁ!?
引け引けぇーみんなこの点数を見て笑えばいいんだ!どうせ私はダメな子ですよー。
「まぁ、自業自得だね」
「あれ、また声に出てた?」
「いや、なんとなくわかった」
「・・・・すごいね;」
これだから凡人は嫌だよね。勉強してないと、その結果が素直に現れるんだから。
翼みたいな天才はそんなことないんだろうけどさ。
ちょっとくらいその頭、分けてほしいよ。
「、他人の幸せねたむより今の現実を認めたほうが楽になると思うけど?」
「それができたら冒頭であんなポエム作らないって。翼は当然全部平均点以上なんでしょ?」
「あたりまえ。それより、補習の張り紙出されてるよ」
「いいもーん。見なくてもわかるもーん」
「何歳だよ、まったく。ホラ、早く行くぞ」
「やーだー!!見たくないー!!!」
「何?俺の特別授業受けたくないわけ?」
へっ?つ、つ、翼さん・・今なんといいました?
特別授業?俺の?おれの?オレの?OREの!?
「翼の特別授業!?」
「そ。どうせこんなことだろうと思ったから、のために時間作っといてやったの。ありがたく思いなよ」
「今から!?部活は?」
「今日は休み。っていうか休みにした。ホラ、さっさと動く!」
「は、はい!」
やったやったぁ♪翼と二人っきりでお勉強v
たぶん、っていうか絶対にスパルタだけどそんなのも愛があればノープロブレム!
わざわざ翼が時間作ってくれたんだから、こりゃ頑張んなきゃ!
こうして私たちは社会科教室を貸しきって、お勉強会を始めた。
こんなにいいことがあるんなら、また赤点とってもいいかもしれない。
そしたら翼―――
また教えてねv
なんか、前にも似たような小説を書いた気が・・・・;だんだんパターン化してきてますね;短いし(死
花月
