夢を見た











明日世界が滅ぶ夢











まだまだやりたいことはたくさんあったけど











私が一番やりたいことは・・・・







































































明日世界が滅んだら





































































秋晴れの日曜日。

今日は練習もない、予定もない。一日ゆっくり過ごせると思ったのに、なぜか俺はの家にいる。

朝早くから呼び出されたと思ったら、いつの間にか縁側に座らされて、半日以上このままだ。

何がしたいと聞いても「こうしていたい」というだけで、それでもやっぱり愛しい彼女の傍から離れるわけにもいかず、今に至る。

何もせぬまま、何も話さぬまま、あっという間に時間は過ぎて日が傾いてきていた。

途中昼食をとりに街へ出たが、それ以外はずっとこのまま。

わが彼女ながら、ちょっとおかしいんじゃないかと心配した。

しかし、当の本人は全く不自然な様子もなく、優雅に日本茶をすすっている。

病床のばぁさんかっての。いつからそんな年寄りくさい趣味が増えたんだ?



「ねぇ、亮」



「ん?なんだ」



「もし、もしもね・・・」

































































「明日世界が滅んだとしたら、どうする?」































































何を突然聞き出すのかと思えば。もし明日世界が滅んだら?そんなん、ありえるわけがねぇだろ。

今日のはどうしちまったんだ?



「ねぇ、どうする?」



「どうするったって・・・んなことあるわけねぇよ」



「だから、もしもだよ」



「そんなんすぐに思いつかねぇな・・・ならどうする?」



「私?私はね・・・」



は静かにお茶を置いて、空を見上げた。

夕焼けの空は、赤く染まる。とても綺麗だと思った。



「まず、今あるお金を全部使うの。それで、すっごい贅沢する」

なるほど。そりゃ俺もやるだろうな。



「その次に、友達と大騒ぎして夜通し遊びまくる」

俺は・・やるかわかんねぇけど、藤代あたりがやりそうだ。



「あと、今まで溜め込んでたことを全部言う。いいことも悪いことも」

つまり、すっきりしたいってわけな。一理ある。



「それで、行ったことないところに行ってみたり、聞いたことない音楽聴いてみたり、知らない人と友達になってみたり・・・」

ずいぶん多いことで。らしいっちゃ、らしいけど。





「でもね、それはあくまで理想論なの」





指折りやることを数えていたが、突然それをやめて前を見る。

その横顔は、夕焼けにも負けないほど綺麗だった。



「ホントは、ひとつだけやりたいことがあるの」



「へぇ、なんだよそれ」































































「こうやって、縁側に座って亮とお茶を飲むこと」






























































あんまり穏やかに言うもんだから、突っ込むタイミングを逃して俺はただを見つめる。

そんな単純なことでいいのか?ってか今まさにそれやってんじゃねぇか。

死ぬ前に一番やりたいことが、それ?ずいぶん簡単なことだな、おい。



「普通逆だろ?理想論と一番やりたいことが」



「ううん、逆じゃない。だって、もし私が亮以外の人と付き合ってたら、こんなこと言わないもん」



「どういう意味だ?」






























































「だって亮は、なにもしなくても私を隣に置いて、傍にいてくれるでしょ?」



























































たとえ明日世界が終わるとしても、とは笑った。

オイオイ、こりゃやられたぜ。それじゃあ俺の答えは最初から決まってんじゃねぇか。



「お前、意外と自意識過剰?」



「そうかもね。でも、ホントのことでしょ?」



「ハハっ!違いねぇ!」



確かにそうだ。それが明日世界がなくなるとなりゃ、なおさらこいつを手放すわけにはいかねぇな。

こうして茶ぁ飲んで、縁側で年寄りくさく座ってるよ。



「じゃあ、今日俺を呼んだのって・・・」



「うん。リハーサル」



なんだよ、それ。いったいどんな理由でリハーサルなんて思いついたんだか。

まぁ、いいか。たまにはこういうのんびりしたのも。



「それで、亮のお答えは?」



「あ?もちろん、嫌だって言っても離してやんない」



「それでこそ、三上亮だね」



日はすっかり落ちていて、赤く染まっていた空はいつの間にか星が散りばめられていた。

もしも、なんてこと考えたこともなかったけど、俺が死ぬときはの傍がいい。

どんな形でも、たとえ世界が滅んでも、こいつだけは渡さない。

きっとも、黙って俺の隣にいてくれると思うんだ。

自意識過剰?はっ!聞こえねぇな。




安心しろよ、




俺は最後まで、お前の傍にいてやるから。




そんで、世界の滅ぶ日が来たら










また一緒に茶でも飲もうぜ。









突然書きたくなった亮ドリームです。無駄に改行多くてすみません;;

久しぶりに亮ドリーム書いたぁ・・・。なんだか微妙。

花月