新しい年がきました
今年もいい年でありますように
祈り続ける
初詣
二人の願い
みなさん、新年明けましておめでとうございます。というわけで私は今、愛しの一馬と初詣に来ています。それにしてもすごい人。
恥ずかしがる一馬と無理やり(でもまんざらでもなさそうだよ?)手を繋いでるけどそれでもはぐれそう。この人ごみだからお賽銭箱の前には長蛇の列。二人で並ぶ前から疲れてしまった。
「すごい列だな」
「すごい列だね」
「ちょっと待つか」
「ちょっと待とうか」
そいうわけで先におみくじを引くことに。神社のおみくじコーナーへ行くとさっそくくじを引いた。
「二人で同時にあけるからね?」
「わかった。せーの・・・」
バっ!といきおいよく開いてみるとそれぞれの運勢が書かれている。そこで私はガッツポーズをとった。
「よっしゃ!」
「ちっくしょ・・・」
私は大吉。そして一馬は末吉。大吉はわかるけど、末吉ってよくわからない。吉よりいいのか、悪いのかもはっきりしないし。なんだか幸の薄い一馬にぴったりの運勢かもしれない。
今年もやっぱり幸薄いのかな。そうなったら可哀想。今年こそ一馬に幸あれ。
「ドンマイ、一馬」
「なんでだけ大吉なんだ?」
「それは私の日ごろの行い?」
「運関係ないじゃん」
「運も実力のうち」
「日ごろの行いじゃないのかよ!?」
なんだかよくわからない会話をして、次に向かうは出店。わたあめ、焼き鳥、たこやき、焼きそば!なんでも揃う、それが出店v
「なに食べる?」
「焼き鳥!お好み焼き!たこ焼き!焼きそば!」
「お前全部焼いてあるじゃねぇか」
「てやんでぃ!生ものなんて食えるかってんだ!」
「誰も生もの食えなんて言ってねぇよ!?」
「とにかく、まずはたこ焼き!半分コしようね」
「おう」
さすがは男の子、一馬くん。しっかり奢ってくれました。あったかいたこ焼きが身体にしみる。すごくおいしい!一馬も満足した様子。
「このたこがいいよね〜v」
「え、俺のたこ入ってないんだけど・・・」
「うそ」
「マジ」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
さっそく当たった、今年のおみくじ。やっぱり一馬は幸薄いらしい。
「なんか、一馬のあだ名『末吉』になりそうだね」
「ホントになりそうだから言うな・・」
すごい落ち込んじゃったよ;うん、しょうがないね。じゃあ今度は私が奢ってあげよう。大吉の私が奢ったらきっと一馬にもいいことあるさ。
「一馬、元気出してよ。私がお好み焼き奢ってあげるから」
「サンキュ」
新年早々かわいそうな雰囲気をかもし出す一馬。私が熱々のお好み焼きを買ってあげたら、ちょっと笑顔がこぼれた。可愛いv
「じゃあさっそく食べましょう!いただきま・・・あれ?」
「どうした?」
「一馬、ソースの色違くない?」
そうか?と疑いながら一口食べてみる一馬。しかし、その顔色は見る見るうちに真っ青となっていった。
「これ、醤油だ・・・」
「・・・・・・・」
やっぱり幸薄いよ、一馬・・・。こうなったらしょうがない。神様にお願いして、一馬に幸を与えてもらおう。
お好み焼きを食べ終えて(一馬はほとんど残したけど)お賽銭の列に並ぶ。何十分か並んで、ようやくジャラジャラの前にたどり着いた。
前から思ってたんだけど、あのジャラジャラするやつの名前ってなんていうの?
5円を同時に投げてジャラジャラを鳴らし、手を叩いて願い事を思う。もちろん、私の願い事は・・・。
初詣も無事(?)に終わり、並んで歩く帰り道。すれ違う人たちは、たぶんこれから初詣に行くんだろうなぁ。なんてちょっと思ってみたり。
「ねぇ、一馬」
「ん?」
「一馬は今年幸あると思うよ」
「なんで?」
「ちゃんと祈っといてあげたからv」
「・・・そういうのって言ったら叶わないんじゃねぇのか?」
「あ・・・」
そうだった。忘れてた。でも、一馬も言えばきっと大丈夫だよ。相殺っぽくて。
「一馬は何願ったの?」
「え!?あ、それは・・・//」
「何?」
「ずっと、一緒に・・・・///」
「え?」
もごもごとしばらくはにかんで、一馬は急に立ち止まった。そして私の目を見てしっかりと言う。
「と、ずっと一緒にいられるように・・・///」
一馬以上に真っ赤になってしまった。そんなの不意打ちだよ・・・。
「やっぱり私、大吉かも」
「そうか?」
「そうだよ」
だって、一馬にこんなにも愛されてるんだもん。これ以上いいことなんてないよ。
ありがとう一馬。私も実は祈ったんだよ?
一馬と一緒にいられるように。
今年もよろしくね、一馬。