他人を拒絶して











いつも一人でいて











無表情で











無感情な私の前に












一人の少年が現れた

























































































関わり


































































































一人でいることに、なんのためらいもなかった。ただ他人がわずらわしくて、関わられるのが嫌だっただけ。ただそれだけのこと。

それなのに周りは私を放っておいてくれない。やたらと話しかけてきたり、関係を持ちたがったりする。特にこの人。御柳芭唐。私の場所には、必ずコイツがいた。

「よぉ、また来たな」

「・・・・・・・」

普段は誰もいないはずの校舎裏。私が学校という場所で唯一落ち着けるところ。それなのに、いつもそこには先客がいた。

タバコをふかして片手を挙げ、不敵な笑みを浮かべてる。御柳の周りには数本のタバコが転がっていた。たぶん、結構前からいたんだと思う。

別にコイツがどこで何してようと、私には全く関係ないし、興味もない。でも私の居場所をとられることだけは我慢ならなかった。勝手に決めたことだけど、この空間は私のもの。それこそ、生まれた時からずっと。

「なんでいつもここにいるわけ?」

「ここにが来るから」

「なんで私を名前で呼ぶの?」

っていうほうがしっくりするから」

「・・・・・・・・・・」

私はまた言葉を失う。なんでコイツはこう・・・変わってるんだろう。最近はクラスの奴らもやっと私という存在に慣れて、あまり関わろうとしなくなったっていうのに、御柳だけは必要以上にくっついてくる。

昨日だっておとといだって、この場所にいて、同じ質問をしたら同じ答えが返ってきた。もういたちごっこ。だんだんこっちが疲れてきた。

ここ以外に行くところがないので、しょうがなく私は御柳から少し離れたところでタバコを吸い始める。すると御柳は、すぐさま私の隣に場所を移動させた。

「だから。なんで近づくの?」

「だから。の近くにいたいからだって」

勝ったといわんばかりのいやらしい笑み。その顔を見てると無性に脱力してしょうがない。まぁいいかと思ってしまう自分がどこかにいた。

中学校のときからこんな性格だったけど、他人を傍に置いているのは御柳が始めてだ。他の人と何が違うんだろう。別にただ普通の不良ってだけなのに・・・。

「ねぇ、御柳・・・・・・ってなんで驚いてんのよ」

「いや、だって名前呼ばれたの初めてだったから」

失礼な奴。私だって名前くらい呼ぶわよ。そういえば呼んだことなかったかもしれないけど。

「で、なに?」

「あんたって、なんで他人に関わろうとするの?煩わしくない?」

「他人ってとこを私って言わないあたりがらしいな」

あんたに私の何がわかるのよって言いたくなったけど、とりあえず黙っておいた。

御柳はしばらく考えたあと、はっとひらめいたかのように手を叩く。そしてまたあの笑顔を浮かべて私を見つめた。

「そっちのほうが面白いから、じゃね?」

「なんで疑問系なの?」

「人それぞれ理由なんて違うだろ。ただ寂しいだけで他人と関わってる奴もいるだろうし」

へぇ、意外としっかりした考え持ってるんだ。もっとちゃらんぽらんしたやつかと思ってたけど。それにしたって私には理由がわからない。めんどくさいだけ、他人と一緒にいるなんて。

「少なくとも俺は、と関わってると面白いぜ」

「うそつきは嫌い」

「ホントだって。俺、面白くない奴とは一緒にいない主義だから」

私のどこが面白いのか10個上げてみてほしかった。それができたら私はとびっきりの笑顔で抱きついてあげるわよ。ムリに決まってるけどね。

私はつまらない人間。どう考えたって、それは決まりきってる。趣味もない、得意も不得意もない、無愛想。これだけ面白くない要素が詰まってる私のどこが面白いの?

、信じてないだろ」

「あたりまえ」

「好きだ」

「あっそ・・・・・・・・・・・・・って、え?」

何言ってんの?こいつは。好き?好きって?好きってどういう意味?もしかして、隙?

「顔真っ赤」

「う、うるさい!!//私そういう冗談嫌いなの!」

「冗談じゃねぇって。俺は本気」

「う、嘘よ!だって・・・」

「だって?」

「つまん、ないし・・・」

二人の間に沈黙が流れた。そう、私はつまんない人間だから。他人と距離を置いて、つまんない人間だってみんなに知らしめて。

それなのにコイツは私を好きといってくれる。ありえない。からかってるだけに決まってる。

はぁ、とためいきをついて御柳は私の顔を自分のほうへと無理やり向けた。

「つまりは、つまんない人間だって勝手に決め付けて、自分から他人を避けたんだろ?」

返す言葉が見つからない。確かにその通り。私は他人と関わりたくないんじゃなくて、他人と関われないんだ。煩わしいんじゃなくて、傷つきたくないから。

「そんな悪いもんでもないぜ?他人ってーのも」

「あんたに何がわかるのよ・・・」

「わかる。だって、俺と話してるときは表情が柔らかい」

「嘘」

「嘘じゃねぇ。ホントだって。大丈夫だから」

「なにが・・・?」

「傷つけない。俺がを守るから」

守るなんて言われたのは初めてだった。その瞬間、なぜかわからないけど涙が溢れた。

こんなにも人があたたかいなんて、知らなかったんだ。

「ありがと、御柳・・・」

「どーいたしまして、

私は御柳に抱きしめられたまま静かに泣いた。その涙、もしかしたら悲しかったからじゃない。

嬉しかったから、泣いたのかもしれない。


















けっきょく何が書きたかったんだか・・・。よくわからない作品になりました;;

花月