大好きな人と結ばれるって











これほど嬉しいことは











世界中のどこにもない
































































聞き間違いの

























































午後の授業って言うのは、絶対犯罪だと思う。

お弁当食べ終わってお腹いっぱいだし、日差しはあったかいし、科目は生物だし。

おまけに私の席は窓側の後ろから2番目。もう日当たり抜群で、先生にも見つかりにくい。

こりゃもう神様が寝ろって言ってるようなもんだよね。

だけど。だけどさ。あの悪魔のごとき先生は、今度授業中に寝たら特別レポートなんていうクソありがたくない忠告を出しやがりましたんですよ。

どう思う?ひどくない?ひどいよね。うん、ひどい。

だから私にしては眠らんように頑張ってるけど、やっぱり人間は欲って奴に弱いんですよ。

開始わずか10分。机に突っ伏す。

「えーで、あるからしてこの樹木は・・・」

なんて天気がいいのかしらー・・・。授業なんてエスケープして遊びに行きたい。

「小学校のときに習ったと思うが、植物というのは・・・」

今ここに布団があって、寝ろって言われたら3秒で寝れる。いや、マジですって。

「まず、双葉が・・・」

ふと隣を見る。するとここにも、私と同じ眠りに耐えている・・・否、完璧に寝ている人がいた。

若菜くんの寝顔だ!可愛いなぁ・・。眠気もさめ・・・ないけど、見れてラッキーv若菜くんに片思いして初めてかも、こんなに嬉しかったの。

ナイス位置だよ、この席。私ってくじ運いいかも。今年は宝くじ買ってみよう。

「そして本葉になり・・・」

本場?なんの本場よ。ここは東京だから、日本の本場?わけわからん。

「これが若葉の・・・」

「若菜ぁ!?」

「はいぃ!!!」










−シーン・・・・−










や、やってもうたぁ!!!つい、つい若葉と若菜を・・・。

あーあ、私が叫んじゃった所為で若菜くんが起きちゃったよ。きっと自分が寝てるの注意されたと思ったんだろうな。

ごめなさい、若菜くん。全部私が悪いんです・・・。

クラスの後方で立ち尽くす私と若菜くん。クラスの視線は全員私たちに集中している。

そしてあの先生も、怒りマークが額に浮かんでます。

、若菜・・・」

「「はい;」」

「立ってろ」

「はい」

ってあれ?若菜くん行かないの?なんで先生睨んだまま動かないわけ?

「先生、さんは悪くないです!」

「へ?」

ちょっとちょっと若菜くん!なに言ってんですか!?120%私が悪いんだよ?

だけど若菜くんはその場を動かず、それどころか廊下へ向かおうとした私の袖を掴んでる。

若菜くんと繋がってる・・・vって悦入ってる場合じゃない。この場をなんとかしないと!

「どういうことだ、若菜」

さんは俺が寝てるの起こしてくれたんです。だから悪くありません!」

「本当か

「全然ちが・・・「本当です」

そんな・・。若菜君、君はなんていい人なんだぁ!!

もう大好き大好き!大好きすぎる!本気で惚れました、この人に。

「それじゃ、若菜。廊下立ってろ。はもう座っていいぞ」

すんなり袖を離して廊下へ行く若菜くん。それに対して私は情けなくも、すとんと席に着く。

こんなはずじゃなかったのに。全部私が悪いのに・・・。

お返しをしなくては。決意を新たにして、私は若菜君の分までノートをとった。

おかげで私の知識が少しUP。(ほんのちょっとだけどね)


























































授業の後。掃除の時間。若菜君は教室掃除で、私も教室掃除。このタイミングを逃すわけにはいかない!というわけで、友達と掃除をサボってしゃべっている若菜くんを廊下に呼び出し。

「若菜くん、ちょっといいかな」

「あ、うん。悪い、ちょっと出てくるな」

しゃべってた友達に断りを入れて、私の後に続き廊下に出る。騒がしい環境がちょっと話しやすさを増してくれた。

「あの、さっきの生物の時間のことなんだけど・・」

「あぁ、あれな!ホントごめん、わざわざ起こしてくれたのに大声出しちまって;」

ん?あれ?ちょっと待った。ここに先生はいない。イコール、話を組み替える必要はない。だけど若菜くんは本当に申し訳なさそうに謝っている。

まさか本気で?本当に私が起こしたと思ってるの!?

「違うの若菜くん!私、若葉と若菜を聞き間違えちゃって。それで大声出しちゃったの・・・」

「え、そうなの?アハハーなんだ、俺の勘違いか。ゴメンゴメン」

なんで笑って許してくれるの?私の所為で立たされちゃったのに、なんでそんなに・・・。

普通怒ることなのに、なんでこんなに優しいんだろう。

「なぁ、いっこ聞きたいんだけど、いいか?」

「あ、うん。どうぞ」

「なんで俺の名前聞き間違えて大声出したの?」

はっ!そうだった!そんなこと言ったら、私が若菜くんのこと意識してるってバレちゃうじゃん!

どうする、どうする!落ち着け、きっと何かいい策が浮かぶはず。なにかいい・・・いい・・・浮かばないよぉ〜!!

「あ、そのなんていうか、授業中に隣の人の名前が出てくることなんてそんなにないし・・・」

「だけどさ、大声なんて普通出さないじゃん?なんか他にもっと理由あるんじゃないの?」

にやにやといたずらっ子っぽい笑みを浮かべてさらに問う若菜くん。

どうしよう。ここで好きって言っちゃうか?だけどこの演出がなぁ。どうせなら誰もいない教室とか、屋上とかが良かったのに。

だけど今はこの場をやってのけるほうが大切。私の所為で廊下に立たされちゃったんだし、ここはもう言うしかないか!?

「えっと・・・なんていうか、若菜くんが気になってたっていうか・・・」

「気になってたってどういう意味?」

そこまで突っ込まないで〜!!気付いてください。そして、ゴメンって振って私をあきらめさせてください。

あわわ、だんだん顔が赤くなってきちゃったよ!どうしよ、バレる・・・!

慌てて俯くと、若菜くんは私の顔を下からのぞきこんだ。そしてにっこり笑って言いのける。とんでもないことを。

「ホントは全部知ってたぜ?」

「え・・・?」

今なんと?全部知ってたってどういう意味っすか?

が俺のこと好きなこと」

な、なな、ななななななな何を言ってるんですかー!?!?!っていうか、って名前呼び捨て///

恥ずかしすぎる!恥ずかしすぎて顔から炎が出る!

いつから知ってたの?なんでわかった?そんなに態度に出てましたぁ!?

「な、なんで・・・!」

「あんだけ見つめられてちゃ気付くって」

ククク・・・と笑う若菜くんの顔が可愛くって、ちょっと笑顔になってみたり。

そっか、気付いてたんだ。それならそうと早く言ってくれればいいのに。

こんなにいろんな若菜くんを見たのは初めてだったから、もう後に引けないよ。

もっと早く振ってくれていれば・・・。

「というわけで、これからもよろしくな!!」

「はいよろしく・・・ってはいぃ!?」

よろしく?ヨロシク?YOROSHIKU!?(しつこい)

何をよろしくすればいいんですか?

「だから、付き合おうってこと」

「つ、付き合うって!?振るんじゃないの?」

「はぁー・・・、鈍すぎ」

ため息をついて、そして真っ直ぐ私を見た。どきん、と胸が高鳴る。

真剣な顔の若菜くん、普段は明るいからとっても新鮮。

どうしよう。頭が上手く回んないよ・・・。

「好きでもない奴の肩なんて持たないだろ?普通」

「え、だってさっき・・・」

「だから言ったっしょ?全部知ってたって!」

つまり、若菜くんは私のことが好きで、やっぱり肩代わりしてくれてて、それは両思いってことで・・。

「カレカノ?」

「そういうことv」

にっこりと笑った若菜くんの顔がとってもまぶしくて、その笑顔につられて私もにへらと笑って。

とっても、とっても幸せだった。

「それじゃ、改めまして。よろしくな、!」

「こちらこそ、よろしくね。結人!」





結ばれたいと思っていた人。その名は若菜結人。








結ぶ人。彼が結んだのは私と自分の恋だった。












意味不明ドリーム。結局なにがしたかった?ってか、若葉とか双葉とか授業中に出ないだろ。

花月