あなただけしか見えてないの
















あなたの他に何もいらないの
















だからお願い
















振り向いて












































































魔法の水








































































今日こそ、今日こそ絶対にカズさんにこの想い伝えてみせる!

九州選抜のマネージャーになって早1年・・。初めて会ったときから、初めてそのプレーを見たときから私の心はカズさんの虜・・・。

片思いなんてしたことない、というかこれは初恋!そして今日はちょっと早めの忘年会。このチャンスを逃したら次はいつくるの!?新年会!?あ、結構近いな。

ま、まぁとにかく。今日は絶対にカズさんへ告白するんだ。女、。やり遂げてみせます。

ー!こっちやこっち!」

店の中に入ると馬鹿でかい声とともに大きく手を振っている昭栄が見えた。気合入れて服選んだりメイクしたりしてたらだいぶ遅くなってしまった。

私も軽く手を振って、九州選抜のメンツがそろう座敷へと向かう。ここで第一段階。カズさんの隣をゲット!

なんて意気込んでいたら、もうすでにカズさんの隣は取られてしまっていた。あぁ、こんなことなら30分前から来とくんだった。

っていうか昭栄!なにちゃっかりカズさんの隣に座ってんだー!しかもカズさんは一番端に座ってるから逆隣もなし・・・。

、遅かったいね」

「すみません、ちょっといろいろありまして」

といってもメイクと服選びなんだけどね。そこは内緒。しょうがないからよっさんの隣に座った。よっさんごめんなさい、あなたが嫌いなわけじゃないんです。全ては昭栄が悪いんです。

ウーロン茶(本当はお酒とか飲みたかったんだけど、監督がいるからムリ)を頼んでがっかりしていたら、よっさんがすっと立ち上がった。

「昭栄、と席ば変わってやれ」

「え!?な、なしてですか!?」

なにを言い出すんですかよっさん!なんで私と昭栄が!?っていうか、こんな幸せないんですけど、嬉しすぎて言葉が出ないって言うか、もしかしてよっさんは知ってる!?

「よ、よっさん・・実は・・・」

「当たり前や。おれは九州選抜のキャプテンやぞ?」

よっさーん!!私は今、猛烈に感動しています!ここまであなたを尊敬したのは初めてかもしれません!

ありがとうよっさん、ざまぁみろ昭栄。そしてカズさん、今そちらへ向かいます!

しぶしぶ席を変える昭栄をしりめに、私はカズさんの横をゲット。あとでしっかり奢ろう、よっさんに。

「なんや、。遅かったな」

「はい・・・っていうかカズさん、これおさ・・・」

「せからしか」

すみません;禁句でした。これはお酒っぽい飲み物ですよね。決して焼酎じゃないですよね;

意外に酒豪なカズさん。私はすっかり浮かれてお酌なんてしている。なんかこうやってると妻って感じがしていいなぁv

さすがカズさん。監督がいてもお酒っぽいもの飲んでるあたり、守護神って感じが出てます。(意味不明)

「あ、カズさん料理食べませんか?私とりますから」

「おう、すまんな」

ここで第二段階。某グラビアアイドルいわく、ボディータッチが重要らしい。ということで、逆の手で料理を取ってさりげなくカズさんにアピールを・・!

、なしてわざわざ逆の手で取っとると?邪魔や」

ガーン!!邪魔。今、邪魔って言われた!!

これほどショックなことがあろうか、いやないね!愛しのカズさんに邪魔って言われてしまったとよー;

「すみません・・・」

ちゃんと普通の手で取ってカズさんに小皿を渡す。それをカズさんは無言で食べ始めた。なに、この重たい空気。やっぱりグラビアアイドルと私では胸の差が激しすぎるんだ・・。

もういいや!こうなったらヤケだ!ヤケ酒だ!といってもウーロン茶なんだけどね。

近くにあったジョッキを手に取り、ぐびぐびと一気飲み。くはぁ〜たまらねぃや!

ってあれ?なんだか頭がボーっとして・・・。

「はれ〜〜???」

!?」

上手く呂律が回んない。それに頭がくらくらする。それになんだか、無性に・・・。

「アハハハハハハ!!!カーズさーん!飲んでますかー??」

なんかおもしろーい!すっごく楽しい!笑いが止まらないーv

「みんなも飲んでますぅー?もっと飲んで!飲みましょー!」

ジョッキを片手に立ち上がり、もう演説を繰り広げる。テンション低いなぁ。なんでみんなそんなに青ざめた顔で私をみるわけ?

!お前なに飲んだんや!」

「これれすよー!カズはんv」

「おまっ!これウーロンハイやなかか!」

ウーロンハイ?違いますよ、カズさん!私が飲んだのはウーロン茶vもう、おっちょこちょいなんだからv

「しょうがなかね。おい、誰かタクシーば呼んで・・・」

「俺が連れて帰るけん」

なんだかよくわかんない会話が繰り広げられてる中、カズさんは私の手を取って早々に席を立った。もう帰っちゃうんですか?まだ飲み足りないのにー!

店を出て、夜の街を2人で歩く。キャーvなんて素敵な演出!私って幸せ者!

、ちゃんと歩け」

「ちゃんと歩いてますよー・・・ってなんだか眠く・・・」

ものすごい睡魔に襲われて、私はその場にしゃがみこむ。しょうがなか、というカズさんの声が聞こえてきたけど、それもなんだかはっきりしない。

そのとき、ふわっと身体が浮いた。

「カズさん・・・?」

「日本一のGKにおぶさってるこつ、感謝せろ」

よくよく見れば、私はカズさんにおんぶされてる!?あぁ、なんていい夢なんだ。できればこのまま冷めないでー!

「カーズさーん・・・」

「なんね」

「ちかっぱ好いとーとですー」

「アホ」

「大好きですー」

「・・・・」

どうせ夢なんだし、夢でこそ自分の気持ち伝えないとね。あーなんか夜風が気持ちいい。最高の夢だわ、こりゃ。起きたら覚えてるかなぁ。

「夢ならホント、覚めないで・・・」

「アホ。夢やなか・・・って寝とる;」

カズさんの大きな背中に身体を預けて、私はぐっすり眠りにはいった。

「俺も好いとおよ、

帰り道。カズさんがそんなこと言ってくれてたなんて、そのときはまだ夢にも思っていなかった。










お酒ネタ。お酒は20になってから

花月