マネージャーの仕事って









普通はどんなことやるのかな









だって私の場合









絶対普通の仕事じゃないからさ



































































マネージャー


































































夜の繁華街。こんな物騒なところで私は一人待ち合わせ。

ったく、仮にも彼女なんだから他の奴に声かけられるとかそういう心配ないのかな。

しかも遅れてくるし・・・。絶対なんか奢らせてやる!!

ー!」

フーセンガム膨らませながらふてぶてしく歩いてくるこの男。御柳芭唐。私の彼氏。

一応名門華武高校ってとこで1年生ながら4番を張ってる若きエース。

でも普段からよくサボるし、練習は真面目にやらないし、おまけに喧嘩っ早い。

野球部だって言われても信じてもらえるかどうかも危ういような奴。

「遅いよ!しっかり奢ってもらうからね」

「悪かったって。練習長引いちゃったんだよ」

なんかこの前もそういうこと言ってた気がするけど、ホントかなぁ。

まぁいいや。とにかくお腹すいたし、早くどっかに行こう。

「どこいく?お腹すいたでしょ。サイゼにでもいきますか」

「そうだな」

「ゴチになります」

「・・・・ちっ、わぁーったよ」

うん、素直でよろしい。私たちは手をつないで繁華街の中にあるサイゼへ向かった。

うわぁさすが夜。ガラの悪そうなのがたくさんいるわ。

あ、あの子絶対援交だ。あ、あいつはクスリやってそうだなぁ。

。なにさっそく人間観察してんだよ」

「あ、ゴメン;つい癖で」

「どんな癖だよ」

しょうがないじゃん、癖なんだから。あ、これ新メニューだ。さっそく頼んじゃおうv

芭唐はもう決まっているらしく、またフーセンガンムを膨らませている。

さっさと注文を頼んで、さっそく本題に入りましょうか。

「で、なんで今日はいきなり呼び出したわけ?どっちにしても今週の日曜日に会うじゃん」

「いや、なんか急に顔が見たくなって」

「嘘つくな。早く言え」

「・・・鋭いねぇ」

芭唐はドリンクを飲みながら(あれ?ガムは?)普段は見せない真剣な顔つきになった。

こりゃ相当デカイ話だね。野球の試合ですらこんな顔見たことないもん。

思わず息を呑む。ゴクリ。

「話っていうのは・・・」

「話っていうのは・・・?」

「実は・・・」

「実は・・・?」

「その・・・」

「その・・・?」

「つまり・・・」

「つまり・・・って長いわ!!」

おい、御柳芭唐!笑ってんじゃねぇって!完璧面白がってるだけじゃん!

もう、緊張して損した。この間抜けバカ。バカら。

「マジウケるし、!まんまと騙されてやんの!腹いてー!」

「・・・・・・・・・帰る」

「わ、冗談じゃん冗談!悪かったから帰んなって!」

くそぉ。こうなったら高いもん追加してやる。ってか次やったら即帰る。

「ホントは話なんてないんでしょ?」

「あるよ。話があるのはマジだから」

「で、なに。言っとくけど次やったら別れるから」

「・・・・・・もうしません」

最初からそうすればいいのよ。ホントにガキなんだから。

がなりすぎて少し痛くなったのどをオレンジジュースで潤す。

う〜ん!利くねぇ!

、今帰宅部だろ?だから、スカウトってやつ」

「もしかして、野球部のマネージャーになれって言いたいの?」

「その通りv」

その通りvじゃないわよ!なんで私があんな奇人変人(でもモテる)がたむろする部のマネやらなきゃなんないの!?

確かに芭唐とはいつも一緒にいたいと思うし、マネやれば帰りも一緒に帰れるけど・・・。

私にはそんな自信ないよ。

「パス!」

「何で!?」

「だって私にそんなことできないもん。ムリ。あんな部をサポートするなんて」

「俺もなるべく練習出るようにして手伝うからさ。な?頼むよ」

練習出るようにして・・・?あ、コレってまさか・・・。

「ねぇ芭唐。この話って屑桐さんに頼まれなかった?」

屑桐さんって言葉が出ただけで芭唐はギクっと表情をこわばらせる。

わかりやすい奴。ははーんなるほどね。屑桐さん、さすがは部長。人の使い方ってやつをわかってますね。

「屑桐さんも人が悪いなー。そういうことだったら言ってくれればいいのに」

「どういう意味?なに言ってんだお前」

「だから、屑桐さんは私がマネージャーになれば芭唐が部活に真面目に出てくれると思ったから私をマネージャーにさせたいのよ」

「・・・・俺複雑;」

「確かにね」

そういうことなら、私がもしマネージャーとしてミスを犯しても、芭唐を練習に連れて行くことでチャラにしてくれるかも。

一回やってみたいなーなんて思ったこともあったし。どうするかなぁ・・・。

「わかった。やる。、立派にマネージャーやらせていただきます」

「お、そっか!そりゃ良かった・・・ってなんか複雑」

「あははー。まぁまぁ、私がしっかり芭唐を練習につれていくからねv

「そ、そんなに張り切らなくても・・・」

「ダメ。しっかり練習してもらうから」

「・・・・・・・・・はい;」

明日から名門華武のマネージャーか。なんだか重い肩書きだなぁ。

あ、せっかくマネになったんだから、あの台詞言ってみたいかも。

そう、あの名台詞を!

「ねぇ、芭唐」

「ん?」

「私を甲子園に連れてってねv」

「ブッ!!」

いきなり飲んでいたコーラを噴出す。汚いなぁ!ってか照れちゃった?

可愛いーv芭唐でもこういうことあるんだーv

「それで、お返事は?」

「は、はぁ!?」

「ホラ早く言ってよ!」

わかってないなぁ、こういうときはあの台詞を返すもんでしょ?

を甲子園に連れて行くぜ」

「おぉ〜!」

「なんだよ」

「なんか本物っぽい!」

「本物だから!」

こうして私は正式な華武高校野球部のマネージャーになりました。

主な仕事はたぶん芭唐を練習に連れて行くこと。

だけど、ちょっとでも芭唐と一緒にいられるんだから、良しとしますか。

さぁ、今日はお祝いだ!じゃんじゃん頼もう!

どうせ芭唐のおごりだしv




























「あ、おねーさんデザート追加で!」

「まだ食うのかよ!?」
















とりあえずマネージャー確保。頑張れ芭唐ん!

花月