人を自由に動かすには
物で釣るのが一番だけど
彼女の思考は
かなり
単純
何でものお願い
梅雨の中休み。
もう入梅したというのに、最近は天気のいい日ばかり。
水不足とか大丈夫なんだろうか、と心配になる。
まぁそんなこと関係ないんだけど、ちょっと雨の恋しい今日この頃。
俺は部屋ウイイレをして楽しんでいた。
その時。
「かぁぁずまぁぁぁ!!!」
「うわぁ!?」
雄たけびと共に入ってきたのは、俺の彼女。。
が部屋に勝手に入ってくるのは今に始まったことじゃないけど、叫ばれるのは初めてだった。
思わずコントローラーを落としてしまう。
「、ど、ど、どうした?」
「テスト!テスト!テストテストテスト!」
「テスト?」
が差し出した紙を見ると、臨時テストのお知らせと書かれた用紙が一枚。
臨時テストかぁ。の学校そんなもんがあるんだな。
大変なこって。
「で、このテストがどうしたんだ?」
「テストぉ・・・」
「お前この部屋入ってきてから俺の名前とテストしか言ってないぞ?」
は安っぽい涙(こんなこというと怒られると思うけど)を流しながら、ベッドに寝そべった。
つまり、俺に勉強を見てくれって言いたいんだろ?
わかった。わかったから、枕に鼻水を付けるのをまず止めてくれ。
「ほら、見てやるから早く範囲言えよ」
「・・・・・・・・・ホント?」
「ホントホント」
まったく。俺はどこまでに甘いんだ。
ま、こういうとこも可愛いからいいんだけど。
「教科はなんだ?」
「国語ぉー」
お、国語なら俺の得意分野だ。
こりゃしっかり教えられる・・・ってなんだこりゃ!?
「おまっ!これ国語か!?」
「え?」
が持ってきた紙(ここからテストが出るらしい)にはびっしり英語が書かれている。
これどう見ても英語だろ。
「だから、英語で書かれてるけど、問題内容は国語なの」
「はぁ?」
どういうテストだよ。
狂ってんなぁ、の学校。
良く見てみると、問題は全部国語に関するもの。・・・・ホントだ。
「・・・・パス」
「なんで!」
「だって俺、英語苦手だし」
「ひどい!さっき見てくれるって言ったじゃん!」
「英語ならのほうが得意だろ」
「国語は一馬のほうが得意じゃーん!うえーん!!」
「わかった!じゃあ英語を日本語に直してくれ。そしたら教えるから」
「ラジャ!」
こうしてが英文読解をし始めて早30分。そろそろ待つのも飽きてきた。
当の本人は問題用紙とにらめっこしたまま、一向に動く気配を見せない。
もしかして・・もしかするのか?
「?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「おーい、ー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・zzz」
「って寝てんじゃねぇか!!」
「ふぇ?」
頭を軽くパコっと叩けば、予想以上にいい音がした。
目じりに涙をためながら起き上がる。
勉強する気ねぇじゃねぇか。
「お前、やる気ある?」
「ない!」
「はっきり言うな!」
「だって・・・やる気起きないよ!こんな問題!」
「はぁ」
確かにやる気起きないけどな。英語ばっかりだし。
うーん。なにかにやる気を起こさせるいい方法はないか・・・。
あ!そうだ!
「。この英文解き終わったら、何でも言うこと聞いてやる」
「ホント!?」
「おう」
「じゃあデート!今度の日曜日!」
なんだ、そんなことでいいのか?
もっと難しいこと要求してくるのかと思ったのに。
ま、いっか。単純なところもまたかわいい。
「わかった。だから早く解いちゃえよ」
「はーい!」
がまた問題用紙に目を向けてから5分後。
「できた!」
「お前さっきの30分はなんだったんだよ!」
の解いた和訳を読んでみると・・・。
「なんて書いてあんの?」
「え?これ日本語だけど・・・」
「日本語になってねぇ!」
それからやっと問題を解き始めるのは。
2時間以上かかりましたとさ。
結局何が書きたかったのかわからずじまい。
花月
