お日様ポカポカいい天気
風がそよそよ気持ちいい
芝生がふさふさ柔らかい
さぁさ、のんびり
お昼寝しましょ?
お昼寝日和
天気のいい午後は、人を眠りに誘う作用があると思う。
だって、こんなにポカポカしてるんだもん、眠りたくなるじゃない?ちょうどお昼ご飯も食べ終わったし。
「あーあ。カズはなにやってんのよ」
サッカーグラウンドの片隅にある木陰に、私は大の字に寝転がった。
ここは九州選抜が使っている専用のグラウンド。当然芝生なわけで、休憩するにはもってこいの場所だった。
今日は選抜の練習がない日なんだけど、彼氏であるカズに呼び出されて今こうして待っているわけ。
風もちょうどいい感じに吹いてるし、芝生は柔らかいし、日差しはあったかいし、お腹はいっぱいだし、昼寝の条件が全てそろった。
「もう!来ないカズが悪いんだからね!」
自分から呼び出したのに、まだ姿を見せないカズへ文句を言いつつ、私はそのまま眠りの世界へ落ちて行った。
(ヤバか、HRが長引いてしまったばい。早く行かな、に怒られると)
カズは人通りの少ない道を待ち合わせの場所まで懸命に走った。
時計を見れば、約束の時間をすでに30分はオーバーしている。
これは相当怒っとるな・・・。とにかく急がな。
ひたすら走って、やっとついたグラウンドには人影など見当たらない。
しばらくその場で探していたら、遠くの木陰に誰かいるのが見えた。
急いでその場に近づいてみると、そこには健やかな寝息を立てて眠るの姿がある。
その寝顔はまさに綺麗の一言に尽きた。とても安らかだ。
少し気の毒にも思えたが、とりあえずが起きないことには始まらない。
カズは自分のほうを見向きもしないに声をかけた。
「。起きんね、こげんとこで寝たら風邪引くとよ」
うーん、とかわいらしい声をあげるが一向に起きる気配がない。
これはかなり寝入っているようだ。
「しょうがなか・・・起きるまで待つか」
小さくため息をついて、カズがの隣に座る。
あどけない顔に、心の底から愛しさを感じた。
「カ、ズ・・・・」
が小さく呟く。
一瞬起きたのかと思ったが、隣にいる先ほどとなんら変わりないを見てすぐにそれが寝言だということがわかった。
「俺の夢でも見とるんか?」
「カ、ズ・・・」
少しわくわくしながら、の寝言に耳を傾ける。
「もうちょい、右・・・」
「は?」
何を言っとるか、こいつは。もうちょい右?
「ちが、行き過ぎ・・・もっと、左・・・・・」
マッサージでもやってあげとおや?にしても、妙な夢ば見とるなぁ。
「そこ!!!!」
「!?!?」
いきなりの大声に、思わずカズは退く。も少し険しい顔になっていたが、またすぐ元の可愛い顔に戻った。
な、なんや今のは・・・。
「はい、カウントダウン・・・スタートぉ・・・」
カウントダウン?ホント、どげん夢ば見とるんや!?
「あはは〜だぁいせぇいこぉー・・・・」
わかった、。きっとお前のことやけん、どうせアホらしか夢ば見とるんやろ。
まだ聞いてもいないうちから、カズはそのアホらしい夢を想像してため息をついた。
しかし、そろそろ本当に起こさないと時間がない。
寝言すら言わなくなり、完璧熟睡モードに入ったにもはや言葉は通用しなかった。
「、ほんに早う起きんね」
ぐらぐらと身体を揺らしても、まだは夢の中。
カズももうお手上げ状態だった。
「こうなったら、俺もふて寝や!」
の隣にゴロンと横になり、帽子を顔にかぶせる。
そして数分も経たぬうちに、カズも眠りの世界へ足を踏み入れて行った。
「ふぁ〜〜!よく寝た」
なんか、気分爽快ね!でも、まさかあんなに面白い夢見たなんて・・・。フフフ、カズが聞いたらなんて言うかな。
ってアレ?隣にいるのカズじゃん。遅れたくせに寝るか?普通。
まぁいいや。にしてもカズの寝顔可愛いーv写真持ってくればよかった。いや、むしろこのままお持ち帰りしたい!
「・・・・」
「え?な、なに!?」
一瞬呼ばれたのかと思って隣を見たら、まだカズは熟睡中。
びっくりした。ただの寝言か;
カズが寝言言うなんて、ますます可愛い!どれどれ、しばらく聞いてみますかね♪
「・・・悪か」
カ、カズが・・・あのカズが・・・私に謝ってるぅ!?いったいどんな夢見てるんだろ。
「ほんに俺が悪かったたい、やけんそれだけは勘弁してくれ・・・」
もしかして私、女王様?夢の中ではSですか?あーカズの夢に入りたい!
「た、のむ・・・殺さないで、く・・・れ・・・・」
「カズ!?」
「くぅ・・・・」
ね、寝た。完全に寝た。夢の中の私は何をしたんだ?
殺さないでって、死活問題!?うわぁー!気になる!
でも、カズの嫌いなものって言えばアレしかないよね?ほら、あの公園のシンボル。
それが関係してるとか?まさかね。アハハー。
なんかもう寝言言わないみたいだし、起こしますか。もうちょっとカズの寝顔見ていたかったけど、これ以上ここにいたら門閉められちゃいそうだし。
「カズー起きてー!終点だよー」←?
「ん、あ?か?」
「そうだよ。もう、すっごい待ったんだからね?おまけに寝てるし!」
「悪か。いや、ほんに俺が悪かったたい・・・」
「なんかカズ、青ざめてない?」
「き、気のせいやけん!さ、もう行くとよ。門閉められるけんね」
「うん!」
結局カズがなんの夢を見たかはわからないけど、私たちはそのまま手をつないでグラウンドを出た。
でもこれだけは言える。私が見た夢の内容は、絶対カズに知られてはいけない。
もし知られたら、それこそ10km走を申し付けられそうだから・・・。
こんな感じで、私たちの日々は過ぎていく。
今日はお昼寝日和。あったかい午後の物語。
カズ「、お前どげん夢見てたとね?」
「え!?あ、別になにも?カズこそ、どんな夢見てたの?」
カズ「い、いや・・俺もなんも見とらんけん」
(言えない・・・・)
カズ(言えなか・・・・)
(カズを落とし穴の前に立たせて、大量のハトがいるところに落としたなんて・・・)
カズ(が巨大なハトになって俺を襲ってきよったなんて・・・)
・カズ((絶対に言えない!!!!))
久しぶりのカズさんドリームです。なんだかとっても意味不明;
花月
