ずっとそばにいたかった
ずっと隣にいたかった
なのにあなたが見ているのは
あの人ばかり
私を見て
私だけを・・・
恋愛スピリッツ
ねぇ、どこ見てるの?
「?」
「・・ん?」
なに考えてるの?
夕暮れがだいぶ伸びた。もうすぐ夏がやってくる。
茜色の日差しの中を歩く私たち。はたから見れば恋人同士に見えるんだろう。
でも、それは偽りだから。付き合っているけど、それはあの人がいないから。
「なにボーッとしてんだ?」
「なんでもない」
もし、あの人が一馬の前に現れたら。
もし、あの人が一馬を選んだら。
一馬はすぐに私を捨てて、あの人の元へ走るのでしょう。
それがなにより・・辛い。
私と一緒にいるときくらい、私のこと考えてよ。
他の誰のことも考えないで。
私だけみてよ。
あの人のことなんて考えないで。
「ねぇ、一馬・・・」
「なんだ?」
私がもし・・・
「ゴメン」
私がもし、あの人だったら・・・
「なんだよ、変なやつだな」
あなたは愛してくれた?
「ホント、なんか変だね」
私のことだけ見ていてくれた?
「そろそろ帰るか」
「うん・・・」
繋いだ手のぬくもり。これは本物。
でも、アナタはこの手があの人のものだったらよかったのにって思ってない?
夕暮れの帰り道。
もうすぐ夏がやってくる。
どこかで虫がないている。
あの人がそばにいない
あなたのそばに今いない
だからあなたは私を手放せない
だから私はあなたを想っている――
チャットモンチーの恋愛スピリッツを元にしています。
久しぶりに書いた夢がこれか・・・。
短い・・・。
花月
