理想と現実











空想とリアル











それは対極だけど











実は紙一重の存在
































































































理想像



































































































梅雨の合間のある晴れた日曜日。

俺は彼女のを部屋に招いて久しぶりの室内デートを楽しんでいた。

はさっきからなにやら一生懸命持ってきたノートにいろいろ書き込んでいる。

中身は気になるけど、が何もしゃべらないので、仕方なく俺もサッカー雑誌を読み続けていた。

そして15分後。




「できた!」



ペンを机にガン!と置いて、が叫ぶ。

さすがにびっくりして、のほうを向くとノートを持ち上げ、誇らしげに微笑んでいた。



「何ができたんだ?」

「へへーん!見て、一馬!」



差し出されたノートを見ると、そこには『私の理想像』と書かれた文字が目に入った。

理想像?理想像って、なんの理想像だ?

よく見てみると、私の理想像と書かれた下にいくつかの項目が掲げられている。

それは彼氏としての理想像らしかった。



「なんだこれ」

「だから、私の理想像だって」



なんか嫌な予感。

とりあえず読んでみよう。

1. 身長175以上(俺は178だから当てはまる)

2. 髪が耳以下肩以上(これも当てはまる)

3. いじるのが好き。ソフトS(いじってないなぁ。Sでもない)

4. 電話好き(電話はよくするな。メールも好きだけど)

5. 一人暮らし。車持ちなら尚良し。(思いっきり実家だし。車も持ってない)

6. 頻繁に好きとか言わない。たまにめっちゃ愛の言葉をくれる(これは・・・どうだろ。愛の言葉って)

7. 記念日を忘れない。大切にする(1ヶ月ごとに祝ってるな)

8. 決め所をわかっている。空気が読める(読める・・・と思う)

9. サプライズ好き(好きってか・・・の言うサプライズってどんなんだ?)

10. 心からを愛している。(愛してる。これだけは自信ある)

っていうか、何個か当てはまらないのあるんだけど。

もしかして、俺にこれを当てはめようっいう企画か!?(企画て)



「・・・、まさか」

「ん?」

「他に好きなやつでもできたのか!?」

「は!?」



だってそうだろ。これに全部当てはまる男が他にできたから別れてくれ的なことじゃないのか。

そりゃ俺はSじゃないし、サプライズがなにかわかってないし、愛の言葉も照れるからめっちゃ言うわけでもないけど・・・これはショックだろ。



「なに言ってんの、一馬」

「だって・・・」

「好きな人なんて一馬だけに決まってるじゃん」

「じゃあこれなんだ?」

「だから理想像」



やっぱり、俺はの理想じゃないんだな。

わかった・・・わかったよ。

こうなればは俺を好きになるんだな!

頑張ろう。



「あのね、一馬。言っとくけど、一馬にこうなれとは言ってないからね」

「え。じゃあどういう・・・」

「こんな人いるわけないよ。だから、一馬はそのままでいいの」

「もし、この理想像にぴったり当てはまる人があわられたらどうするんだ?」

「乗り換える」

「おい!」

「うそうそ。それでも一馬と付き合ってるよ」

「そっか」(ホっ)



まったくは。心臓に悪いじゃねぇか。

でもの理想像知ったからには、少しでもこれに近づいた方が嬉しいんだろうな。

密かに努力するか。



「あ、一馬」

「なんだ?」

「一馬がSになったら、別れるから」

「なんで!?」

「だって気持ち悪いじゃん」

「・・・・・・・・・・・・・」

「これは単なる話のネタだからね?」

「わ、わかった」



の考えてること、よくわかんねぇな。

ま、今の俺を愛してくれるだけで満足。

俺ものこと愛してるしな。



「一馬の理想像は?」

「俺?」

「そう」

「もちろん、

「言うと思った」



にっこり笑って俺に抱きつく

かわいい。やっぱ俺の理想はだけだ。

確かに心臓に悪い話だけど。

は今の俺を愛してくれてる事実だけで。

俺は嬉しかった。



「理想と現実は違う、ってね」

「おい!」


それでも俺たちは愛し合ってる。























ブログ発生ネタ。ある方が自分の理想像を彼氏に言ったみたいで。

許可はちゃんと取りました。

花月