突然のメール
愛しい彼女からのメール
そこには一言こう書かれていた
旅行に行ってきます
旅のお土産
2泊3日の旅行を終えて、彼女であるが帰ってきた。
帰ってきたばかりだっていうのに、おみやげを渡したいからと翌日に会おうって電話があった。そして今。俺はの家の近くにある公園に呼び出されている。
約束の時間ぴったりに公園へ足を踏み入れると、すでには中くらいの紙袋を持って立っていた。遠くから見てもやっぱり可愛い・・・って何考えてんだよ、俺は//
「あ、一馬!ただいまぁ〜」
俺に気付いたは、ゆるやかな声と共に手を振る。俺もつられて手を振り返すと足元にあった小石に躓いた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫//それより、渡したいものってなんだ?」
へへーんvと笑っては紙袋を勢いよく開いた。中に入っているのは、各地の名産品の数々。
「一馬にお土産!はやく渡したくて!」
「そっか、ありがとな」
るんるん気分のままが紙袋から一つ目のお土産を取り出し、手渡した。
「最初はコレ。福島県のストラップ」
「限定品ってやつか?」
「そうそう。開けてみて」
なるほど、は福島県に行ってたのか。そりゃまたずいぶん遠い。ストラップならケータイにつけられるから嬉しかった。
に小さな包み紙を渡されて、素直に中を開けてみる。するとそこに入っていたのは福島県の名物、赤べこのストラップだった。
「可愛いでしょ?」
「おう、ありがと」
「後はねぇー・・・これ!」
がさごそと袋をあさって次に出てきたのは少し大きな包み紙。箱みたいだから、お菓子のようだ。
「茨城の名産だってさ」
「だってさって・・・自分で買ったんだろ?」
「まぁ、半分はね」
よくわからない答えに不安を覚えながら包み紙を開けてみると、そこに書かれていたのは『納豆チョコ』の文字・・・。チョコ?
「、これは納豆の形したチョコだよな?」
「違うよ。納豆の味がするチョコだよv」
そんな満面の笑み浮かべられても・・・。ってかそれは納豆なのか?チョコなのか?
「い、家で食べてみる・・・」
「家族みんなで食べてねv」
いや、犠牲になるのは俺だけでいい・・・。とにかくが買ってきたものを粗末にするわけにはいかないから、食べるけどな;多大な不安を抱えながら。
納豆チョコを受け取った後、次にもらったのは食べ物ではなく物だった。
「これはなんだ?」
「あ、これは家で開けてみて・・・」
「なんで?」
「いいから、家で開けてみて!」
「わ、わかった・・」
あまりに必死な表情だったから、とりあえず袋を受け取る。心なしか顔が赤かったような気がするけど、なんだ?
と別れて家路に着く。部屋に戻って最後にもらった包みを開けてみると、そこには小さなブレスレットが入っていた。
「なんだ、これ・・・」
よく見てみると、そこには何かの文字が彫られていた。朱色が鮮やかなブレスレットは、きっと福島県の特産だろう。
透明な箱を開けてブレスレットをよく見てみる。するとそこに書かれていたのは・・・。
『LOVE KAZUMA』
だからのやつ、照れてたのか・・・。でも、今までもらったお土産の中で一番嬉しい。
「サンキュ、」
少し窓を開けてに届くように心をこめてそう言った。
俺も今度旅行に行ったら何かを彫ってもらおう。そこに書く文字はもちろん・・・。
「LOVE 」
そしたら一番に渡しにいこう。きっともよろこんでくれる。
でも、一番の望みは――
二人っきりで旅行に行くこと。
短っ!!なんて短いんだ!?福島に行ってきたノリで書いた単発ものです;;
花月
