熱き応援
白熱の試合
喜びの声
この素晴らしい場所の名
サッカースタジアム
サッカー場で会いましょう
本日は晴天なり。絶好のサッカー観戦日和。
もちろんテレビじゃなくて、生観戦。
というわけで、私は今サッカーファンの熱気溢れるサッカースタジアムに来ています。
今回の試合は日本代表の親善試合。大のサッカーファンな私はわざわざ国立競技場まで足を運び、今日の試合を前にドキドキしている次第です。
「あーもーすっごい楽しみ!早くはじまんないかなぁ〜♪」
「ちょっとは落ち着きなさいよ。ホラ、さっき買った飲み物」
「ありがと、!」
興奮している私に対し、親友のは冷静にかつ情熱を秘めて試合を待ち望んでいる模様。
スタジアムの外で売っていたジュースを飲みながら、二人で今日のスタメンについて話していると、どこからともなく聞き覚えのある声が・・・。
「やっべーすげぇ人!こりゃかなり盛り上がるな!」
「少し落ち着きなって、結人」
「でもよく手に入ったよな、日本代表のチケットなんて」
「親戚からもらったんだよ。感謝しろよ〜二人とも」
「はいはい」
どっかで聞いたことあるよなぁ、この声。とはいっても一人だけなんだけど。
ま、いっかvきっと空耳さ!
「スタメン誰かな〜玉田は是非入っていてほしい!」
「やっぱ玉田は欠かせないよな、一馬!」
「そうね、あとGKファンの私としては、楢崎で行ってほしんだけどな。最近川口が多いから」
「そうだな。GKは楢崎がいい。英士、DF誰が来ると思う?」
「DFは誰だろ。松田はいるとして・・・」
「CBは松田がいいね。俺的には。一馬は?」
「中澤は当たり前ね。好調だし」
「中澤もきて欲しいな。あとはやっぱり・・・・」
「そしてやっぱり欠かせないのが・・・・」
「「ヒデ!!」」
ん?今声が被ったような・・・。しかもさっき聞いた空耳と同じような感じの・・・。
「「あっ!」」
「真田くん!?」
「!?」
なんで真田くんがこんなところに!?ってか、真田くんもサッカーファン!?
お互い顔を合わせたまま完全停止。ついでに回りも停止中。
「えーっと。知り合い?」
真田くんの隣にいた茶髪の人が一番初めに口を開いた。
何度も頷く真田くん。ついでに私も頷いてみる。
「、いつまで固まってんの」
「あぁ、そうだった!は、はじめましてこんにちは!といいます。真田くんとは同じクラスで・・・」
「そうなんだ!俺、若菜結人。こいつとは昔っからの親友なんだ、よろしく!」
「こ、こちらこそ・・・」
人懐っこいし、かっこいい!真田くんもかっこいいけど、この人も負けじとかっこいい!
その次に、真田くんの逆隣に座っていた人が挨拶をしてくれた。
「はじめまして。俺は郭英士。よろしく、さん」
「よろしくお願いします」
なんで敬語なんだ?っていうツッコミは置いといて。こちらの方も綺麗な人だなぁ・・・。真田くんの友達ってみんな美系。モデルさん?
またもボーっと3人を観察している間に、その二人とが挨拶を終えていた。
「もサッカー好きだったのか?知らなかった」
「実はそうなのよ。真田くんこそ、サッカーファンだなんて知らなかった」
うわ〜どうしよう!私あの真田一馬くんとしゃべってるよ!平然を装ってるけど、かなり緊張する。
クラスでも人気の真田くん。女の子が苦手なのか、あまりクラスではしゃべったことなかったけど、密かに想いを寄せてる人だったりする。
そんな真田くんと一緒にサッカーが見られるなんて・・!神様、ありがとう!
私が顔を赤くしてどぎまぎしていると、が小声で耳打ちしてきた。
「、席変わってもらえば?」
「ちょ、!なんでよ!」
「だって、真田くんとこんな近くでサッカー見られることなんてこれから先ありえないことだよ!?チャンスだって!」
「そ、そうだけど・・・」
真田くんの隣でサッカーなんて見てたら、私どうしていいかわかんないよ。それに真田くんも迷惑がるだろうし・・・。
でも、せっかくのチャンスだしなぁ。どうしよう。
「あ、若菜くん。悪いんだけどと席変わってもらえない?」
「さん!?」
ちょっと待って!まだYesといってないけど、何で話を進めてるんですか!?
若菜くんも快く了解しないで・・・ってウインク?
「がんばってね、ちゃん」
席を立つとき、若菜くんがそうささやいた。
「あ、英士も来いよ。ここ空いてるみたいだぜ?」
「それじゃあ、そうしようかな」
そして、郭くんも席を離れる。そしてポン、と肩を叩かれた。
あれ・・・?もしかして、気付いてらっしゃる?
なんでわかったんだろ、そんなに私態度に出てたかなぁ。
「ホラ。早く移動する!」
「わかったよ・・・ごめんね、二人とも」
「全然良いってば!な、英士」
「当然でしょ」
あ〜なんていい人たちなんだぁ!真田くん、君はいい友達を持っていますよ。
二人のご好意に甘えて、真田くんの隣へと移動。当たり前だけど、真田くんが近い!
うわぁどうする!?ねぇ、こんなに幸せでいいんですか!?
「真田くんもゴメンね、せっかく友達と見に来てたのに・・・」
「あ、気にすんなよ。俺もこうなること期待してたし・・・(ボソッ)」
「え?なんか言った?」
「い、いや別に!なんでもない!」
そう。それならいいんだけどね。にしても嬉しいなぁ〜♪これは他人から見れば、デートっぽくない?
サッカー観戦デートなんて・・夢みたいだわ。
「、試合始まるみたいだぜ」
「ホントだ!あ、スタメン出てきたv」
クラスでの真田くんとは、全然イメージが違う。もっと、こう近寄りがたい感じだったけど、ここではちっともそんなことない。むしろ、かなりフレンドリー。
こんなに素敵な真田くん見ちゃったら、もっと好きになっちゃうよ。
「あ、やっぱりヒデが出てる」
「うそ!?どこどこ?」
「ホラ、真ん中」
「ホントだぁvやったー!!」
予想大的中!さっき予想してたスタメンとほぼ同じ。そういえば、あの時真田くんもヒデが出るって予想してたっけ。
なんかつながってるっぽくていいなぁv
高らかな笛の音と共に、いよいよキックオフ。会場がいっきに沸きあがる。もちろん、私たちも。
隣にいる真田くんは、とってもはしゃいでいて、なんだか可愛かった。
シュートを放つたび眼を輝かせて、DFがボールをクリアするたびほっと安心したようなため息をつく。
なんか、私だけの真田くんが見られた気がしてとっても嬉しい。独り占めにした気分。
試合は有利に進んで、私たちは共に応援しまくった。
でも本当は試合の内容なんて全く頭に入ってなかった。
隣にいる真田くんの楽しそうな声を聞くたびに、胸が高鳴っていたから。
『ゴール!日本先制です!!』
「よっしゃ!!」
「やったー!!!」
私の大好きな選手がゴールを決めたところで、前半終了。
歓喜の声に満ち溢れた会場は、その余韻に浸りながらハーフタイムに入った。
「最後のシュートすごかったね!私あの選手大好きなんだ!」
「も?俺も好きなんだよ!いいよな、あの動き!」
「ホントに!?気が合うねー!」
「あぁ、すっげー合う!」
もう嬉しすぎ!真田くんもあの選手が好きだったなんて!
もしかして、相性ピッタリ?なんて言ってみたりして。キャハv(壊)
「お話中ゴメンね、お二人さん。ちょっとおつかい頼まれてみたりしてくれない?」
「え、私たちだけで?」
「そう。ふ・た・り・だ・けv」
ー!ムリだよ!私はムリだ!ね、真田くん・・・ってなんで立ち上がってるわけ?
「わかった。飲み物、なんでもいいよな」
「よろしくな、一馬!」
「さんとはぐれないようにね」
「わ、わかってるって///いくぞ、」
「わぁ、ちょっと待って!」
先に行ってしまった真田くんを追いかけて、私も慌てて席を立つ。
くっそーめ。後できちんと奢らせていただきます。
にしてもすごい人だなぁ。こりゃはぐれそうだ。とはいえ、手なんて死んでもつなげないし・・・。
頑張ってついていくしかないか!ファイトだ、私!
なんて意気込んでいると、目の前に差し出される一本の手。
それは真田くんから伸びている。ということは、つなげってこと?
「真田くん?」
「人、多いから」
顔が赤いのはきっと気のせい。なんて優しいんだ、真田くん!
私はかなり緊張しながらその手をとる。あったかくて、大きな手だった。
飲み物を売っているところにつくと、予想通りかなりの行列。
隣で並んでいるときも、私たちの手はつながっていた。こうしていると、ホントの恋人同士みたいで、嬉しい。
「あ、あのさ、」
「なに?」
「今日、ここで会えてよかったよ」
「うん、私もそう思う。真田くんの新たな一面も知れたしね」
「新たな一面って?」
「だって真田くん、クラスじゃあんまり女子としゃべんないからさ。今日はとってもフレンドリーな感じ!」
「そうか?俺、そんなに怖い感じする?」
「そのクールさがまたいいらしいよ?女の子たちからすれば」
「そっか・・・は、どっちがいい?」
「え?」
「俺、あんまり女子と話すの得意じゃなくてさ。でも、が今日みたいにクラスでも過ごした方がいいっていうなら、俺もそうする」
「どういう意味・・・?なんで私なんかの意見?」
「えっと、つまり・・・俺はその・・・」
「好きでもない奴と席なんか交換しないし、こうやって手もつながないってこと!」
耳まで真っ赤になって、そういう真田くんの言葉は私の心を景気良くぶち抜いた。
ということは?つまり?すなわち?・・・・・両想いってこと?
「それは、真田くんは私が好きって意味なわけデスカ?」
小さく一度だけ立てに振れる首。
その瞬間、私の目から涙がこぼれてきた。
「え!?!?何泣いてんだ!?」
「ゴメン、そんなつもりじゃなくてね・・・嬉しかったの」
「嬉しかった?」
「うん・・・私も、真田くんのこと、好きだったから・・・・」
「マジ!?」
「大マジ」
嬉しい嬉しい嬉しい!こんな嬉しいことがあるなんて思ってなかった!
真田くんは相変わらず赤面してて、私は笑って泣いてた。
これじゃあ恋人同士なんかに見られてないだろうけど、もういいんだ。
だって、本当の恋人になったんだから・・・。
「これからも、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね」
私たちの真ん中でつながれた手は、ぎゅっと強く結ばれた。
この手はきっとほどかない。
私が始めてつないだ手は、大好きな人の大好きな手。
今度は二人で、また行こう?
この素敵な出会いの場所へ――
意味不明作品。全くもってわけわりません;
花月
