事件は放課後の部室で起きた











それは何の前触れもなく











俺達に襲い掛かった











貧困という名の











悪夢・・・












































































節約大作戦

















































































「部費がない」

一瞬、部室中がしぃんと静まり返った。

この言葉を発したのは、武蔵森サッカー部マネージャー兼俺の彼女、

成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗。全てそろった完璧ガールは俺の愛しい彼女。部活が終わって賑わっている部室で、の凛とした声はよく響いた。

「どういうことだ?ちゃんと金庫に保管しておいたはずだろ?」

誰も何も言わない状況の中、俺がその静寂を切り捨てた。に続いて金庫の中にある部費と書かれた封筒を見る。

本当に空だ。渋沢と一緒に代表委員会に出たから、部費を納めたところはしっかり見ていた。その時は確かにあったはず。

それが今は一円たりとも入っていない。いつもは何事にも動じないも、さすがに顔を青くしていた。さらに静寂が広がる。

「おい、藤代」

俺は近くでことを見ていた藤代を呼ぶ。こうなったらあの手しかねぇ。

「は、はい・・・?」

「部室のドア、鍵閉めろ」

藤代が言われたとおりに鍵を閉める。密室となった部室で、俺とは同時に立ち上がった。

「いいか。部費がなくなったことは、絶対に口外するな」

「これは我がサッカー部の極秘事項とします。犯人を見つけ次第そいつから金をふんだくるわ」

も同じ考えのようだった。さすがは俺の彼女。部の命とも言うべき大切な部費を盗んだやつ、ただじゃおかねぇ・・・。

「あ、あのぉ・・・先輩」

「なに?誠二」

「もし、犯人が見つからなかったら?」

それは俺も考えていなかった。俺の頭ん中はすでに犯人をボコボコに伸してるところだったが、一時中断しての意見を仰ぐ。

はにやりと笑って、一言はっきりこう言った。

「もちろん、じ・ば・らv」

再び部室に静寂が訪れる。こうしてサッカー部マネージャーは節約大魔王となった。

















































































翌日。早速の作戦は始まった。最初は実感していなかったが、それは着実に俺達の身へ降りかかっていた。

「あれ、このドリンク味がない・・・」

午後練の休憩時間、隣で水分補給をしていた藤代がポツリとそう言った。一瞬とうとう舌までおかしくなったのかと哀れに思ったが、どうやら本当のようだ。

俺も飲んでみてそう思った。確かに味がない。というよりもこれは・・・・水か?

、これってもしかして・・・」

「え?水だけど?」

やっぱり。スポーツドリンクじゃない。それをさらっというも凄いけど、反論する部員たちも凄い。長年彼氏やってるから、の反応はだいたいわかる。なんて命知らずな・・・・。

先輩!なんで水なんすか!?」

「前までずっとスポーツドリンクだったじゃねぇか!」

の表情がどんどん曇っていき、最後には額に青い十字路が出来た。

「誰の所為でこうなってると思ってんの?犯人とっ捕まえるまで私が先月残った分の部費でなんとかやりくりしてるっていうのに、そんなこともわかんないわけ!?」

「じゃ、じゃあこれは・・・」

「もちろん、節約のため。あ、それと今日から一人一日タオルは一枚までね」

「え!?どうして!」

「洗濯代がバカになんないのよ。それともあんたらが自腹切る?」

にっこりと笑顔を浮かべているが、目はちっとも笑っていない。その言葉で部員達もあっさりと引き下がった。まったく、わかってねぇな。たぶんこの部活で部費を取られて一番怒ってんのはだ。

それを物語るのがあの目。獲物をしとめるハンターのような鋭い目。

あの目になったはもう止められねぇ。早く犯人捕まえないと、部員達が危うい。

、わかったからそう睨むなって」

「だったら亮が犯人捕まえてよ」

「それができたら苦労しねぇっての」

「あと3日以内に犯人が捕まらなかったら、亮と別れる」

「おっしゃー!野郎ども!どんな手使ってでも犯人捕まえるぞー!!!」

冗談じゃねぇ。部費の所為でと別れるなんて、まっぴらごめんだ。これは早く犯人を捕まえねぇと・・・ってあれ?

「そういえば、部費がなくなったとき渋沢は部室にいたか?」

「ううん、あのときは・・・・ってまさか!」

俺とは即座に部室へと駆け込んだ。そしてそこでスパイクを磨いている渋沢を見つけ、直ちに詰め寄る。

「どうしたんだ、そんなに慌てて」

「し、渋沢!お前この前金庫に保管した部費どうした!?」

「あぁ。あれなら俺が持っているぞ?」

「「はぁ!?」」

おいおいまさか犯人って渋沢!?部長がそんなことしていいのかよ!

「なんで・・・」

「金庫だけじゃ危ないと思ってな。新しい金庫に移しておいたんだよ」

「その新しい金庫って、まさか・・・」

「もちろん、部費で買ったよ」(爽)

「おいちょっと待て!なんで一言も相談しねぇんだよ!」

「ちゃんと桐原監督の了解は得たさ。それに、部費も戻ってきたんだからいいだろ?」

「そういう問題じゃないのよ!」

こうして、今月のサッカー部は貧困生活を送った。もちろん、の節約計画も続行。

全国大会出場校がこんなんでいいのか・・・・。












意味不明作品NO.1・・・;本当に意味がわかりません;書き直すかも・・。

花月