波乱万丈な人生なんて縁遠く











ひらり、はらりと生きてきた











そんな私に初めて訪れる











恋というなの











大波乱





























































































試練
























































































、14歳。

趣味はサッカー観戦と映画鑑賞。好きなチームは柏レイソル。

そんな私は、今までずっと人生を平々凡々と過ごしてきました。

山もなく谷もない、いたって普通の人生。でも、そんな人生に初めて大波が来てしまった。

私、恋をしてしまったみたいです。



?おーい、ちゃーん?」

「はっ!へっ!な、な、な、なに!?」

「何?じゃないわよ、もうとっくにHR終わってるんですけどー?」

「あ!ホントだ!」

「どうしたの?いつもだったら、誰よりも早く帰る準備するのに。最近どっか変だよ」

「いやぁーははっ・・・なんかねぇ・・」



友達のが心配そうに私の顔をのぞきこむ。

変、か。自分自身でもわかってる。変な理由も理解できてた。

最近ボーっとしてることが多いのも、全部あの人の所為。私の頭の中は今、あの人のことでいっぱいなんだ。

隣のクラス、窓側の後から2番目の席。

真田、一馬くん・・・。



「どーせまた、好きな人でもできたんでしょ?」

「え!?なんでわかるの・・って言っちゃったし!」

「やっぱりね。だいたいの考えてることはわかりやすいのよ」



な、なんだ・・・全部バレてたのか。

そう、そうなんだよ。恋しちゃったの。これは恋以外のなにものでもないの。

視界に入るだけで心臓は飛び跳ねそうになり、名前を聞くたび耳の先まで赤くなる。

そりゃ今まで生きてきて、恋したことなんてあるに決まってるけど、今回は訳が違った。

だって、こんなに人を好きになったの、初めてだもん。

はぁーと深いため息をついて、席を立つ。さん、私の話を聞いてくださいよ。



「それで、ターゲットはどこの誰?」

「ターゲットって・・・;隣のクラスの真田くん」

「真田ぁ!?あの真田一馬!?」

「え?知ってるの?」

「知ってるもなにも、有名人だよ!先輩からも後輩からも人気あって、何人も告白されてるんだけど、首を縦にふることはないって。女嫌いの噂も出てるほどだよ」

「女・・・嫌い・・・」



ダメじゃん。女じゃん、私。いや、男だったら好きになってないんだけどさ。

女嫌いかぁ・・・どうしよ。早くも終わったわ、私の恋。フラれるのは慣れてるけど今回は告白してもいない。



「終わった・・・私の恋・・・」

、そう落ち込まない。マックでシェイク奢ってあげるから」

「ううっ・・・・・・」



帰り道を変更して駅前のマックへ移動。

失恋しました。どうせ、真田くんは高嶺の花。一般人の私に手が出せるわけがない。

さようなら、真田くん。もう私は諦めます。今まで一途に想っててごめんなさい。

マックについて、ソファーの席をゲット。がシェイクとナゲットを持って私の向かい側に座る。

ふと、の目が一瞬見開かれた気がした。ん?どうしたの?



「なんかあった?」

「んーん!なんでもない!それよりさ、。真田くんのどこが好きなわけ?」

「え!?ってか声大きいよ!」

「大丈夫よ、ここに学校の人なんていないし。で、どこどこ?」

「うーん・・・言い出したら切りないけど・・・。この前さ、見ちゃったんだよね」

「見ちゃった?何を?」

「河川敷のグラウンド。ほら、あそこ毎朝通るじゃん?そこでさ、すっごい朝早くに真田くんが一人でサッカーの練習してたんだ」

「へぇー。意外」

「その姿見てたら、学校ではいつも無関心そうに見えるけど、実はすごく頑張ってるんだなぁーとか想っちゃって」

「それで、好きになっちゃった、と」

「・・・・・・・うん」

「だってさ、真田くん♪」

「そうなんだよ、真田くん・・・・・・・・・・・・ってえぇ!?!?!?!」



にかっと笑みを浮かべて私の後ろを見つめるにつられて、私も勢いよく後ろを振り返る。

そこにはなんと、真田くん本人が座っていた。



「さ、さ、さ、さ、さ、さ、さ、真田くん!!!!」

「よ、よぉ・・・」



真田くんは友達二人と来ていたらしく、その顔は耳まで真っ赤。

つまり、つまり・・・今の話全部聞かれてたってこと!?ってかさん!あんた知ってて言わせたのかい!?

どーしよ!どーしよ!私、なんてこと・・・・!恥ずかしすぎて顔から火が出る!



「さぁーて、私はそろそろ帰ろうかな。あ、よければ真田くんのお友達も一緒に帰りません?」

「じゃあそうしようかな。ね、結人」

「おう!じゃ、またな〜一馬!しっかりやれよ!」

「「ちょ、ちょっと待って(待てよ)!」」



い、行っちゃった・・・。

は真田くんの友達を引き連れ、さっさと店をあとにしてしまった。

店に残されたのは、真田くんと私だけ。き、気まずい。



・・・だよな?」

「え、なんで私の名前・・・」

「あ、いや、なんとなく」



なんとなくって;まぁいいや、名前知っててくれるだけで嬉しい。

突然真田くんは立ち上がって私の目の前に座った。

さ、真田くんが近い!どうしよ!どうしよ!緊張して頭が上手く回らないよ!



「あのさ、

「な、な、なんでしょう・・?」

「さっき言ってたこと、本当か?」



ぎゃー!やっぱり聞こえてたんだ!

恥ずかしい・・・どうすればいいんだろう。ここは真面目に言ったほうがいいよね。

そうだよ、玉砕することはわかってるんだから、せめて気持ちだけでも伝えておかないと。

後悔だけは、したくない・・・!



「うん、全部ホントのことだよ」

「そ、っか・・・」

「うん・・ずっと、好き、だったから・・」



言えた。これで全部終わり。

でも最後にこうして真田くんと話せて、よかったよ。

ありがとう、神様。



「俺も」

「・・・・・・・・・・・え?」



い、今・・・なんとおっしゃいました?



「俺も、のこと好きだから」

「う、そ・・・」

「嘘でこんなこと言わねぇよ//」

「ホントに!?ホントにホント!?」

「ホントにホント」



見れば、真田くんは茹蛸みたいに真っ赤になってて、つられて私も真っ赤になって。

二人で赤くなりながら俯いて、黙ってた。



「ありがとう、真田くん」

「それはこっちの台詞だよ」

「これからも、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」



目があって、ふっと笑う。そのしぐさがとっても好きで。

もっともっと、真田くんを好きになる。







大好きな人

大切な人――