友達とか
恋人とか
親友とか
そんな境界線
一体
どこにあるっていうんだろう
Sky Blue
小学校からずっと一緒のクラス。家も近所、親同士も仲良し。
そんな私たちが関わりを持たないなんて、ありえるはずもなく。いや、そーいう意味じゃなくて(銀魂ネタ)
つまり、仲がいいってことです。正確には悪友って言ったほうがいいのかな。
二人ともサッカー好きで、好きなチームも同じ。そういうところでは気が合うんだけど、いつも口を開けば皮肉ばかり。
そんな私たち、今日も元気に過ごしています。
「だから!違うって言ってんだろ!何回同じこと言わせんだ!」
「うるさいわね!わかってるわよ!でもできないもんはできないんだからしょうがないでしょうが!」
「逆ギレ!?」
「逆ギレじゃない!マジギレ!」
「尚悪いじゃねぇか!」
朝から響き渡る元気な声。元凶はもちろん、いつものことながら私たち。
私の目の前にいるつり目の黒髪が真田一馬。一応U-14のエリート。私にはただのサッカーバカにしか見えないけどね。
毎日何かしらで大声上げて騒いでる。今日の原因は私たちの机の上にある数学の宿題プリント。
今日提出のこのプリント。どうしてもできなくて、隣の席にいる一応私より頭のいい一馬に教えてもらおうとして、朝早く来たのはいいけど、結局一馬の言ってることが理解できなくて、散々わめき散らしていた。
「この数式はこっちに使うんだってば!」
「こんなんできなくても世の中渡っていけるわよ!」
「じゃあ最初から教えてなんて言うな!」
「こっちだって好きで一馬に教えてもらってるわけじゃないわよ!」
「じゃあなんで俺に聞いてんだよ!」
「近くにいたからに決まってるでしょ!?」
「はぁ!?なんだそれ!嫌味か!?」
「嫌味よ!」
「はっきり言うなよ!」
パラパラとクラスメイト達が集まってくる中、周りなんてお構いなしに騒ぎ散らす私たち。そんなのもう毎日のことだから、今更だれも止めなかった。むしろ微笑ましく見守ってるくらい。
「あーもーやめたやめた!一馬なんかに教えてもらわなくても、このくらい自分でできるわよ!」
「最初っからそぉしろよ!こっちだって教えたくて教えてたんじゃねぇからな!」
「ふん!」
「へっ!」
一馬からプリントを取り上げて、ドンと自分の机に向かう。
今ならなんだってできる気がするわ。ってか一馬ももうちょっと優しく教えてくれてもいいじゃない。
いいもん、自分でできるもん。このくらい・・・このくらい・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
む、むずかしい・・・・。
ちくしょーあの数学教師!こんな宿題だしやがって!いつか私が総理大臣になったら中学校の数学を消してあいつを無職にしてやる!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
マジでできない。どうしよ・・・いまさら一馬に頼むわけにもいかないなぁ。
ちらっと隣でサッカー雑誌を読む一馬を見る。
朝日が窓から差し込んで、一馬の顔を照らす。その姿に一瞬キュンとなったのは、不覚だった。
「・・・・・・・・・・・・・何見てんだよ」
「べ、別に!」
「教えてほしいんだろ?」
「そ、そ、そ、そんなんじゃないわよ!」
「、素直になれよ」
「〜〜〜〜〜!」
「ひとことすみませんって言えば、また教えてやる」
なんだよその上から目線!ヘタレかじゅまの癖に生意気な!
でも、数学の宿題を教えてもらえるのは一馬しかいないし・・・。
ここは大人になれ、。
「・・・・・・・・・・・・・す、すみませんでした」
「よろしい」
一馬は私の机からプリントを取り上げると、自分の机に再び戻す。
いつもはヘタレの癖に、私の前ではなぜか強気。
クラスの女の子の前では真っ赤になってろくに話しもできないくせに、私の前では普通にベラベラしゃべる。
この差はなに?私は女として見られてないってこと?それとも・・・。
それとも――
「なにボーッとしてんだよ、」
「へ!?」
「へ?ってお前・・・;ほら、さっさと宿題仕上げるぞ」
「おっす!隊長!」
まぁいいか。今が楽しければ、それで。
暑い暑い、夏のある日。