snow
冬休みも中盤にさしかかったある日の朝。
今日は選抜の練習もロッサの練習もないから、俺は久しぶりに目覚ましをかけないで寝た。
このまま昼まで寝ていようと思ったが、それもケータイの着信音によって破られることになる。
―タッターン タタタ タッタッタ タタタタータター―(アイーダ)笑
枕の隣りに置いていたケータイをとろうとふとんから手を出す。
今日はいつも以上に寒くて一瞬身をすくめたけど、相変わらずうるさい音を止めるためになんとか通話ボタンを押した。
「…はい」
『あ、一馬!?私、私!』
電話の向こうで叫ぶやけにテンションの高い声。
新手の「オレオレ詐欺」かと思ったけど、朝からこの声を出せるのはあいつしかいない。
「、どうしたんだよ朝っぱらから」
『ごめんね。寝てた?』
「まぁな。別にいいよ。で、なんかあったのか?」
『あったもあった大ありよ!早く窓の外みて!!』
ますますテンションが上がっていく愛しい彼女の指示通り、俺はのろのろとベッドから抜け出す。
フローリングに足がつくと、やっぱりいつも以上に寒い。
一度身震いをしながらカーテンを開けた。
薄暗い部屋にさしこむ柔らかな光と目の前に広がる一面の銀世界。
「雪…」
ボソッとつぶやいた言葉はしっかりにも伝わっていて、電話の向こうで笑う声が聞こえた。
『ね?すごいでしょ?』
「あぁ、だから今日寒かったんだ」
『ねぇ一馬。今から会おうよ!』
「え!?い、良いけど///」
『ホント!?ヤッタvそれじゃあ、また後でね♪』
上機嫌で電話を切る。俺はその様子が想像できてしまって少し可笑しかった。
ケータイを机の上において、さっそく身支度を整える。
「かーずまー!!」
の家まで行くと、家の前で大きく手を降る少女が1人。
俺は少し照れながら小さく手を振り返した。
「ごめんね、いきなり」
「いいよ。どこ行くんだ?」
「ちょっと散歩v」
そう微笑むにやっぱり赤くなる。愛しさがこみ上げた。
どちらからともなく手を繋いで、雪の降る道を歩く。
「明日、積もるかな」
「う〜ん、どうだろな」
「積もったらかまくら作ろうね!」
「普通は雪だるまからだろ」
「だって、かまくらなら二人で中に入れるでしょ?」
は恥ずかしいことをさらっと言うのが得意。だから俺は赤くなりっぱなしだ。
しばらく歩くといつもの公園についた。
今日もやっぱり人はいなく、は公園につくなり俺の手を離して公園の中心にかけていった。
上を見上げて手を伸ばしてくるくると回るを、俺はポケットに手をいれながら見守る。
「綺麗だね、一馬」
突然俺の方を向いて、笑う。の長い髪が風に舞った。
あまりにも綺麗であまりにも愛しくて。気がつけば俺は、を自らの腕に閉じ込めていた。
「ちょ、ちょっと一馬!?」
「…愛してる。ずっと――」
俺の背中にも暖かな温もりを感じた。
「私もだよ。一馬…」
深々と降り続く雪の中、俺の腕にいるこの愛しい少女を一生守っていこうと改めて誓った。
冷たい雪と降ってきたのは
とても暖かい愛の結晶
fin
相変わらずの駄文ですね。結局なにが書きたかったんでしょう;
花月
