必死に考えた











考えて 考えて 考えて











それでやっと出した答え











これしかないと思った











愛しいあの人のため


































































































































































































「ねぇ翼ー」

「んー?」

「結婚しよっか」

「ぶっ!!!」



翼は飲んでいたドリンクを一気に噴出した。幸い屋上だったため、私の服などに被害はなかったけどそれでも翼の服にはちょっとかかっていた。



「な、な、な、なに言ってんだよ!」

「なにって。だから結婚しようかーって」

「いくらなんでもいきなりすぎるだろ!?」



何をそんなに怒っているのかわからないけど、翼は顔を真っ赤にして私を見ている。

だって中学校から高校までずっと一緒。それで現在3年生。翼は4月生まれだからもう18歳。女は16歳からだからもう結婚できる歳だ。

これだけ一緒にいて、愛し合ってるんだから結婚したって関係ない。嬉しい話でしょ?

翼のズボンにかかったドリンクをふき取りながら、ちょっと上を見上げて翼と目を合わせる。



「両親には了解済みだよ。翼くんならいいだろうってさ」

「そういう問題じゃなくて・・・はぁ。なんではいつもそんなに突発的なんだよ」

「私と結婚するの・・・嫌?」

「うっ・・・・」



うるんだ眼で上目遣いをすれば、翼の顔は真っ赤になる。こんなこと言ったらすぐに怒られるけど、どうしようもないくらい可愛い。

自然と口元が緩んだ。



「何にやけてんだ」

「いやかわい・・・・じゃなくて、かっこいいなぁと思って」

「嘘つけ」

「痛っ」



バレた。軽く頭をはたかれる。

翼のドリンクはもうほとんどこぼれちゃったから代わりに私の飲みかけを渡す。

よほどのどが渇いていたのか、いつもなら受け取らないジュースを受け取った。

それを一気に飲み干すと、また私に向き直る。



「俺がスペインに行くことは・・・知ってるだろ?」

「うん。だから言ってるんじゃん」

「いくら俺が天才でもの考えまでは読めない・・・」



呆れた顔をして、翼は頭を掻く。どうやら本当にわかってないみたいだ。

スペインに行くことを知ったのは、ついこの間。それから今日まで、私も必死になって考えた。

サッカーの技術を磨くためにスペインに行くことはわかっている。それが翼の夢だし、応援するのは当たり前のこと。

でも、心の中に離れたくないっていう思いがあるのも本当のことだった。

なんだかんだ言ってもまだ高校生。いつも傍にいたい。ずっと一緒にいたい。離れたくない。

その思いはきっと翼を苦しめる。それならどうしたらいいのか。そして私が出した結論。



「結婚しよ、翼」

「あのなぁ・・・」



結婚すれば、一緒にいられる。離れていても繋がっていられると思った。

それ以外、考えられないんだよ。翼。



、俺たちまだ高校生だろ?」

「うん。でももう結婚できるよ」

「そうじゃなくて」



翼は私に向き直ってしっかり肩を掴んだ。

そして、優しいキスをする。



「あのな。俺たちは離れていても大丈夫だ。俺は以外の奴になびいたりしないよ」

「でも繋がっていたいよ」

「繋がってるよ。どんなに離れても俺たちはいつも繋がってる。そのかわり・・・」



私の左手が翼の口元に当てられる。

風が吹いた。優しい風。二人を包み込む、風。















「帰ってきたら結婚しよう」















涙が溢れた。屋上での誓い。それは決して揺るぐことなく私の心に響き渡った。

いきおいよく翼に抱きつく。すこしバランスを崩しながらも翼は私を抱きしめてくれた。



「絶対・・・帰ってきてね」

「当たり前だろ。お前こそ、浮気すんなよ?」

「しないに決まってるでしょ」



それから私たちは優しいキスをした。

二人の愛は永遠だというように、何度も。何度も。


















キリリクゲッターの柳瀬さまに捧げます。駄文の上、短くて申し訳ありません;