ある日の月夜
部活から帰ってきたあなたを待って
私は一人ほくそ笑む
手にはキラキラ光る
新品のナイフ
私だけのもの
ずっと遠くから見ていたの。あなたのこと。ずっと、ずっと。
部活でサッカーやっているときも、友達と話してるときも、あなたはいつも輝いてみえる。
その光に導かれた、私は名もなき蝶。
だからお願い、こっちを向いて?
「なにやってんだよ・・・お前」
ナイフを持ったまま、私は亮のほうを向いていた。
なんでそんなにおびえているの?私はあなたを自分のものにしようとしただけなのに。
何も怖がることなんでないわ。亮は私のものになる。
大好きだから。愛しているから。
ずっと見ていたの。気づいてくれていた?
「亮・・・私に気づいてた?」
「C組のだろ?なにやってるんだって聞いてんだよ」
「亮を私のものにしようと思ったの・・・・だから、だから・・・」
亮は冷や汗をかいて、私を鋭く睨み付けている。
その目線も好き。刺すような鋭い目。
ナイフは月の光を浴びて、きらきら輝いている。
これから亮は私のものになるの。
「お前、自分がなにしてるのかわかってんのか・・・?」
「わかってるわよ。私は亮を愛してる。だから私のものにするの。こういう形で・・・」
ゆっくり亮に近づいていって、私は亮のおなかにナイフを突き刺した。
ドロっとした血がナイフを通じて私の手に流れてくる。
生暖かい、亮の血。
ガクっと力が抜けて、亮はそのまま生きを引き取った。
「さようなら亮。そして・・・私のものになってくれてありがとう」
寂しくなんかないわ。私もすぐそっちに行くから。
天国で会いましょう。私は地獄に行くのかもしれないけれど、亮がいれば怖くない。
「待ってて・・・亮・・・」
亮の血がついたナイフを自分の胸に突き刺して、そのまま亮と一緒に横たわる。
月の光は私たちを怪しく照らし出していた。
大好きだから。
愛しているから。
傍にいてほしいから。
だから殺すの。
狂ってなんかいない。
ただ私は亮を・・・・
愛していただけ。
意味不作品。亮夢はこんなんばっか;
花月
