タバコを吸ってるときも
車を運転してる時も
いつでもその横顔は
輝いてみえた
横顔
今日は日曜日。
久しぶりに仕事は休み。そんなわけで私の愛しい彼氏である亮と、久しぶりにデートすることになりました。
Jリーガーである亮と休みが合うなんてホント久しぶり。だから今日は思う存分楽しむぞ!
・・・って気合入れてきたのに。
「なんで室内デートなの!?」
「あ?なんか言ったか?」
いろいろ遊ぼうと思って計画してきたのに、亮に呼ばれてついたのは案の定部屋の中。
一人暮らしにしては綺麗な部屋だけど、なんかもう見慣れてしまった。
そりゃ亮と一緒ならどこだって楽しいよ?
なかなか会えないから贅沢は言わないつもり。でもさ、やっぱりどこか遊びにいきたいじゃん?
まったく・・・亮は乙女心をわかってなさすぎ!私と付き合う前は女癖悪かったくせに。
「ねぇ亮ぁーどっか行きたいー」
「どっかってどこ?」
「遊園地とか動物園とか水族館とか・・・いろいろあるじゃん!」
「、お前いくつだ?」
「え、20だけど?」
「成人がそんなとこ行きたいとか言ってんな。ガキじゃあるまいし」
「心はいつでも少女なのぉ!」
「はいはい」
「もう!ちゃんと聞いてよ!」
ちゃんと聞いてるって、と亮はまたパソコンの画面に視線を戻した。
全然聞いてないじゃない。
しょうがないか。最近はJリーグの試合とか代表の試合とかで忙しかったもんね。
せっかくの休みに会えるだけでも感謝しないと。
私は近くにあったサッカー雑誌を持ってベッドに寝転がった。
あ、この枕ふわふわ。しかも亮の香りがする。
気持ちぃなぁ。
このまま寝てしまおうか。でもせっかく亮と一緒にいるんだし、もったいない気もする。ってかもったいない。
ふと、亮の方を向けばインターネットに夢中の横顔が見える。
そういえば、初めて見たときも亮の姿は横顔だったな。
真剣な目つき。タレてるけど。
かっこいいな、なんてちょっと口に出してみたり。
もちろん亮には聞こえてない。
亮の横顔が好き。もちろん正面で見るのもすきだけど、横顔ってなんともいえなくかっこいい。
一緒に眠るときみる寝顔も、その横顔も、全部全部大好き。
いつまででも見ていたくなる。
やっぱり好きなんだなぁって再確認できた。
「ねぇ、亮」
「ん?」
「かっこいいね」
「当たり前だろ」
「ホント、大好き」
「それも当たり前」
また睡魔が襲ってきた。
もったいないけど、今度は素直に睡魔に襲われて眠りにつく。
亮の香りがとてつもなく心地よかった。
「?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「おーい、」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・。おきろ!」
「ふぇ!?」
寝ているところを、ムリヤリ起こされて思わず変な声をあげてしまう。
亮の顔を見ると、ちょっと呆れたような、でも優しい顔をしていた。
「勝手に寝てんな、アホ」
「なっ!アホとはなんだアホとはー!」
「いいからさっさと起きろ。行くぞ」
「え?行くってどこに?」
頭にはてなマークを浮かべつつ首をかしげると、亮はニヒルな笑みを浮かべて言った。
「どうせいろいろ行くとこ考えてきたんだろ?付き合ってやるよ」
その瞬間私の顔はパァっと明るくなる。すぐにベッドから降りた。
なんでもお見通しなんだな、亮は。
なんだか私のこと全部気付いてくれて嬉しい。私は亮の考えてることよくわかんないけど・・・でも優しいところがあるっていうのは知ってる。
誰よりも、知ってるから。
「行く!行く行く行く!!」
「わかったから。ホラ」
そういって差し伸べてくれた手はいつもより暖かく感じた。
並んで歩く亮の横顔はやっぱりかっこよくて、思わず微笑んでしまう。
この横顔を見ていいのは私だけだから。
亮の隣を歩いていいのは、私だけ。
なんだかとっても特別な気がして頬を赤らめてしまった。
これから先もずっとずっと。
この横顔を眺めていたい。
久々の亮夢。私も横顔フェチです。
花月