いつでも どこでも 何をしてても
気になってしょうがないんだ
君の目を 髪を 笑顔を
ほら、また追いかけてる
○7日間○
ロッサの練習が終わって、俺たちはいつもどおりマックへ向かった。練習の後は駅の近くにあるここに立ち寄るのが俺たちの日課だった。
「で。今回はどうしたんだ?一馬」
自分のメニューをもって席へ落ち着いたと同時に結人がそう言った。英士もこっちを見て答えを待ってる。
「なんだよ、突然…・」
「なんだよじゃないでしょ。今日のプレーなんだったの?」
「英士のパス見送るわ、フリーのチャンス逃がすわ。挙句の果てに、オウンゴール。これで何にもないってほうがおかしいぜ」
結人に言われて、俺は改めて自分のプレーを思い返す。確かに冴えてなかった…というからしくないプレーばっかりだった。
原因はわかってる。たぶん、いや絶対にあのことだ。それしかない。
「さっさと白状しちゃえよ、一馬!」
ポテトをつまんでくるくる回しながら、結人が迫る。俺はため息をついた。これ言った後の二人の反応が手に取るようにわかるから。
「ぜ、絶対笑うなよ?//」
「わかったわかった」
息を大きくすって、また吐いて。小さな声で呟いた。
「す、好きな子が…いるんだ////」
「「………・」」
ほらな。その呆れた顔。予想通りだ。こっちは真剣に考えてるんだぞ!!
「そんなの早く告っちゃえば良いジャン!」
「それができれば苦労しねぇよ!!//」
英士や結人と違ってただでさえ人と話すの得意じゃないのに、ましてや女子なんかと…絶対ムリだ。
「じゃあ、かじゅま君のために、俺たちが一肌脱ごうか。な!英士!」
「そうだね。いつまでもあの調子じゃ、試合にも影響がでるし」
コーラを静かに置きながら、英士が俺を見た。パス見送って悪かったって!だからそんな目で見ないでくれ;
「よっし!一馬告白プロジェクト!名づけて『かじゅま君、初めての告白大作戦☆』開始だな!」
やたらと楽しそうな結人、まんざらでもなさそうな英士。あからさまに不安そうな顔をしていたら、大丈夫だって!と結人に背中を叩かれた。
ホントに大丈夫かよ…;
「…」
黒い日直日誌をもって、俺は前に座るに話しかけた。この人こそ、俺が気になっている女子だ。
「なに?真田くん」
「えっと…///」
パニックを起こしてる頭の中で必死に昨日結人たちが言ってた言葉を思い返す。
「いいか、一馬。まずは話しかけることからだ。なんでもいいから、話しかけて相手のことを知れ!」
相手のことを知る…か。日直日誌でどうやって話し広げればいいんだよ!(泣)
せっかく職員室から取って来たのに。これじゃあ、無駄骨も良いとこだ。
いや、ここで諦めたらヘタレと言われ続けた今までと同じ。なんとか会話するんだ!頑張れ、俺!
「これ、日誌。先生から、渡してくれって…」
あぁ、もう!!何言ってんだ!文になってねぇ!!とりあえず、話しをつづけないと・・
「あっ、忘れてた!ありがとう、真田くん」
にっこり笑ったの笑顔に、俺の心臓は大ダメージ。周りに聞こえるんじゃないかってほど早く脈打ってる。
さぁ、肝心なのはここからだ。なんて言おうか…。えーっと、今日はお日柄もよくーじゃなくて。、お前が好きなんだ!…こんなこと言えるか!//なんて言えばいいんだ!?
「真田くん?」
「えっ!!あ?な、なんだ!?」
パニクってる最中に突然の声が聞こえたから、思わず変な声が出てしまった。うわぁ〜絶対変な奴だと思われただろうな…;
「どうしたの?一人で百面相して…」
「い、いや…別に/////」
下から上目遣いでみてくるの顔がとっても可愛いのと、自分の行動が恥ずかしくて顔が赤くなるのがわかった。ヤバイ…どうすればいいんだ!英士、結人!!
「ぷっ!あははは!真田くんって面白いね!」
うわぁ。笑った顔もまた可愛い///ってそうじゃない!好印象?もしかして俺、好印象!?しゃっ!
よし!このまま話しを広げるんだ!何かないかな…おぉ!あれは!!!
「って、サッカー好きなのか?」
「え?うん、好きだけど…なんで分かったの?」
「雑誌、持ってるから///」
俺が指差したのは机の上に置いてあるサッカーの月刊雑誌。ちなみに俺の愛読書でもある。
「真田くんも好きなの?サッカー」
「あ、ていうか、俺・・ユース入ってる、し///」
「ホント!?すごい!!どこのチーム?」
「川崎、ロッサってとこ」
「じゃあサッカー上手いんだね!すごいなぁ〜」
「//////」
あーいちいち赤くなるなよ、俺;でもしかたないんだ。があんまりにも楽しそうに笑うから。
一つ一つの動きに、言葉に、笑顔に。俺の全てが愛しいと感じてる。それだけで、なんだか赤くなるんだ。
―キーンコーンカーンコーン―
これからってときにHR開始のチャイムが鳴る。いいとこだったのに運がねぇな;
俺は、じゃあと小さく言ってその場を離れようとした。
「真田くん」
の声がしたから、俺は慌てて振りかえる。そこには、綺麗に笑うがいた。
「またね」
再び顔が熱くなるのが分かる。そのまま自分の席に戻ったけど、その間俺は自然に笑顔がこぼれていた。
とりあえず、一歩前進!もう、誰にもヘタレなんて言わせないぜ!!

